セミナー再開しました!

密を避けるために人数制限させていただきました。

新型コロナウイルスの為に中断していました、セミナーをようやく再開することが出来ました。

もちろん、感染対策には十分に配慮しての開催です。

今回は、テーマは、民事信託では定番の 「 空き家対策 」でした。

このブログをご覧になられていらっしゃる方は、ご存知かと思いますが

家の持ち主であるお父さん(所有者とか名義人などと言われます)が認知症になってしまった場合、重要な資産である家(不動産)は、売却できなくなってしまいます。

認知症になられたお父さんが介護施設に入られたなら、お住まいになられていた家は

もしかしたら空き家になってしまうかもしれません。

空き家になった家は、傷みも早くなりますし、毎年、固定資産税は掛かるし・・・

決して喜ばしい状態ではなくなります。

これが売れれば、お父さんの介護費用の足しになるし、色んな意味でご家族の負担が少なくなるはずです。

では、その予防策、対策として信託も活用できますよ。

では、具体的には・・・

と、言うような内容でした。

当日残念ながらご都合が悪くご参加いただけなかった方は、ぜひ一度ご相談ください。

きっとお役に立つ情報、ご提案ができると思います。

よつば民事信託とやま までお気軽にお電話ください!!

代表理事:山本 和博 より 締めの挨拶

よつば民事信託とやま 理事:布村 之宏 でした!

【スタッフブログ】経営者保証ガイドラインと親愛信託

事業承継をすすめるにあたってネックになるものに借り入れに対する経営者個人での連帯保証(以下経営者保証とします。)があります。

従業員が承継する場合などは前経営者から財産の相続がないにもかかわらず債務だけを承継することになってしまうし、相続人が事業承継するとしても被相続人が社長のときに作った会社の借入の連帯保証を引き継いで事業承継することを躊躇するケースもあると思います。

このため、経営者保証が中小企業の事業承継を妨げるものとして問題になっており、国は経営者保証ガイドラインをつくり、一定条件をもとに新社長の経営者保証を外すように金融機関に指導しています。

そのため、新経営者に経営者保証をもとめていないケースが増加してきています。

経営者保証ガイドラインでは主債務者、保証人(つまり新旧経営者)に経営者保証をつけない要件として

  • 「① 法人と経営者との関係の明確な区分・分離」
  • 「② 財務基盤の強化」
  • 「③ 財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保」

について言及しています。

このうち法人と経営者との関係の明確な区分・分離については、適切な役員給与などともに法人の事業用資産の経営者個人所有の解消を求めています。

経営者が法人の事業活動に必要な本社・工場・営業車等の資産を所有している場合、経営者の都合によるこれらの資産の第三者への売却や担保提供等により事業継続に支障を来す恐れがあるためです。

しかし、この部分は経営者保証ガイドラインのなかではネックになりやすい要件であると考えます。

なぜなら、相続を繰り返すことで簡単に会社所有に切り替えられなかったり、税金対策や会社に買取資金が不足しているなどのために会社所有に切り替えることを選択しづらかったりするケースがあるからです。

これらを解決する一つの方法として親愛信託を活用する方法があります。

会社を受託者、経営者をはじめ不動産などの事業用資産の所有者を委託者件受益者とする信託契約を利用することで解決できます。

これにより、実質会社が事業用資産を所有しているのと同じ状況になり、事業継続に支障を満たすような事態を防ぐことができ、経営者保証ガイドラインの要件を満たすことが可能となります。

今後、事業承継をすすめるうえで様々な親愛信託を活用するケースが増加すると思われます。当組合としては経営、法律、税務などの総合的な観点から支援していく所存です。

一般社団法人親愛信託名古屋 代表理事 竹上将人

【スタッフブログ】毎日のように民事信託の相談、空き家相談、相続の相談を受けます

毎日のように民事信託の相談、空き家相談、相続の相談を受けます。

行政書士(士業)というよりも、不動産と相続の専門家というスタンスです。

宅地建物取引士、行政書士、fp、そして建築系だとインテリアコーディネーター、建築施工管理技士、生前整理アドバイザー、整理収納アドバイザー、ライフオーファナイザー、相続診断士。

どちらかと言うと総合コンサルタント、そして営業マンです。

マルチに仕事をこなす、そして数多い引き出しから民事信託の提案を実務に即して提案したり、組成したりしています。

士業といっても、いろいろなタイプの方がいらっしゃいます。

マニアックな法務理論を展開される方、専門用語が多すぎる方。

頭が民法で信託発想が全くできない。そして信託は不要論をお持ちの方もいた。

信託がなくとも、任意後見でほぼカバーできる?

民法にはある程度の正解がある。信託には結論とかテンプレートがない。

そこが面白いところでもありますが・・・

改正民法の「配偶者居住権」これがいいのか受益者連続信託がいいのか?

制度を比較して組み立てをすると面白い。

ところで、お客様とお話するときに、気をつけた方がいいことがいくつかある。

「遺言」いごんと言わない方がいい。この言葉だけで、お客様が固まったり、違和感を感じて心を開いてくれないケースがありました。

私は ゆいごんと言います。

それから、信託の説明をするときに、箱とケーキの話をしながら、最後に不動産登記は受託者に登記名義が移る。

受託者に所有権が移転する

この言葉を使うと、お客様の頭はパニック!

正解は「管理を任せる子の名前を記載する」これが信託の登記です。

このように、お客様の理解度、常識に合わせてわかり安く伝えることが肝です。

言語明快、難しい専門用語羅列 だけど意味不明 これがお客様の捉え方と理解すべし。

富山 前田プランニングオフィス 前田敏・行政書書士事務所 前田敏

【スタッフブログ】信託契約書を公正証書にするケース

契約というのは契約の当事者の意思が合致していれば必ずしも書面で行う必要はありませんが、書面に残すことで契約当時の意思をあとから確認できますし、双方の意思を文章で確認して認識の食い違いを防ぐためなどの理由で、契約を締結するときはまず書面で、ということが当たり前のように行われています。


書面契約が通常としても、契約書を公正証書で、とするとおそらく件数的にはグッと減るのではないかと思われます。ただ、信託契約書は比較的公正証書でなされることが多い契約ではないかと思います。私どもで公正証書での親愛信託契約締結をお勧めするケースは以下のとおりです。

契約の片方の当事者である委託者がご高齢で、ご高齢=行為能力(法律用語で、契約を有効に締結できる状態であることを【行為能力がある】と言います)がない、として契約の有効性に疑問を生じさせないためにも、公証人の先生が関与して契約を締結することが大切との考えからです。いわゆる「真正担保」のためです。


公正証書で契約書を作りますと、原本が1通…こちらは公証役場に保管され、(保管期間は公証人法施行規則第27条第1号により、20年です。)それを元に正本又は謄本が契約者に交付されることとなります。
公正証書の【正本】には、公証人の署名捺印がされ、原本と同一の全文、正本であること、交付請求した者の氏名、作成の年月日と場所が記載されます(公証人法第48条)。
 また、公正証書の【謄本】には、公証人の署名捺印がされ、原本と同一の全文、謄本であること、作成の年月日と場所が記載されます(公証人法第52条)。


 今は、信託金銭を管理するための専用の口座(「信託口口座」と言います)を作るとき、この信託契約書公正証書の謄本の提出を義務付けている銀行も多く出てきています。
また、親の財産を巡って子供たちに争いが起こりそうな場合、第三者に向けて信託契約が適正に締結されたことを主張したい場面が予想される場合は、将来において疑義が起こらないように、信託契約書は公正証書で締結することをお勧めしております。

一般社団よ・つ・ば親愛信託ちば 理事 AM

参考条文
公証人法施行規則
第二十七条 公証人は、書類及び帳簿を、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる期間保存しなければならない。ただし、履行につき確定期限のある債務又は存続期間の定めのある権利義務に関する法律行為につき作成した証書の原本については、その期限の到来又はその期間の満了の翌年から十年を経過したときは、この限りでない。
一 証書の原本、証書原簿、公証人の保存する私署証書及び定款、認証簿(第三号に掲げるものを除く。)、信託表示簿 二十年
二 拒絶証書謄本綴込帳、抵当証券支払拒絶証明書謄本綴込帳、送達関係書類綴込帳 十年
三 私署証書(公証人の保存する私署証書を除く。)の認証のみにつき調製した認証簿、確定日付簿、第二十五条第二項の書類、計算簿 七年

【スタッフブログ】相続における養子縁組の取り扱い

将来の相続のことを考えた時に、例えば子供の配偶者や孫を養子にすることを検討する場合があります。

養子縁組(普通養子)は、親になろうとする人と子になろうとする人の合意で成立し、民法上の制限はありません。ただし、相続税の基礎控除額などを計算するうえで、養子の数が多くなると、課税の公平が保てなくなるため、相続税では以下の通り制限を設けています。

1.養子制度

養子縁組には、養親・養子の同意で行われる一般的な「普通養子」制度と、幼児を実親とは切り離して養親が育てる「特別養子」の制度があります。

「特別養子」の場合は、実親との親子関係は消滅し、養親が死亡した場合にのみ法定相続人となります。

一方で「普通養子」制度の場合は、実親とも親子関係が継続することとなります。

以下、「普通養子縁組」制度のポイントです。

(1)養子は実子と同じように相続人となり、同じ様に法定相続分を持ちます。

(2)養子となっても実親との関係はそのままであり、実親の相続人となります。

(3)養親と養子は同一姓・同一戸籍の原則があります。

(4)養子は原則として養親の姓を名乗ります。

(5)養子縁組の後に生まれた養子の子(いわゆる孫)は代襲相続人となりますが、養子縁組の前に生まれた養子の子は、代襲相続人とはなりません。

2.相続税計算の際の制限について

「遺産に係る基礎控除額」「相続税の総額」「生命保険金(共済金)の非課税額」等の計算をするときには、次のように養子の数の制限が行われます。

【実子がいる場合】
養子が2人以上いても、養子は1人として数えます。

【実子がいない場合】
養子が3人以上いても、養子は2人として数えます。

3.相続対策としての効果

養子縁組は費用がほとんどかからず、届出のみででき、相続税の節税効果もかなり高くなります。ただし、身分関係に係わることですので、慎重に取り組むことが必要となります。なお、孫養子は相続税が2割加算となる点にも注意が必要です。

一般社団法人よ・つ・ば親愛信託ちば 理事 折田紘幸(公認会計士・税理士)

信託制度と後見制度の違い

たまに信託契約と任意後見契約を同一視して
「信託をしたら後見人がいらない」という人がいます。

信託制度と後見制度は役割が違います。
棲み分けをして両方の制度を利用する事は可能です。

一般的に後見制度というのは「人」につくもので、
その人に対して代理をする事ができる制度です。

信託というのは「物」につくもので、
受託者というのは信託財産になっている物に対して権限をもつ制度になる訳です。

実は全く役割が違うので、信託したら後見人がいらない訳ではないのですね。

また、留意しなければいけないのは、
信託財産になっているものは後見人の管理下には及ばない事です。

その性質を利用して、持っている財産の中で一部を信託財産にして外しておいて、
残りは後見人に管理してもらう事も可能です。

このように信託契約制度と後見人契約制度の2つ制度を利用して
非常に柔軟な対策をする事が、実は肝要な話になってくるのです。

よつば民事信託とやま
代表理事 山本和博

よつば民事信託とやま ラジオで情報発信中

毎月第三月曜日。13:00~13:30 富山コミュニティFM エフエムいみずで生出演。

よつば民事信託とやまの「民事信託を活用しよう」です。

毎回、生出演ドキドキ、ハラハラものですが、頑張っています。

最近の話題、民事信託の活用事例、そしてセミナー告知とアッという間の30分。。http://fmimizu.seesaa.net/article/475203003.html

固定ファンも増えてきているようです。6月は15日です。

番組を聴けない(当たり前。富山県でも全域は聴けない。)方は検索→FMいみず→インターネットラジオでググってください。掲載は翌日以降です)

認知症と不動産売却

 こんにちは!よつば民事信託とやまの布村です。

私は、不動産と建築業を営んでいます。

昨年より土地や住宅の売却のご相談を受けるほとんどが、お父さんの土地、おじいちゃんの住んでいた

家などです。

相談にいらっしゃるご家族が、50代~。当然お父さんは70歳を超えていらっしゃいます。

そんなご相談で、まず始めにおうかがいするのが、「お父さんお元気ですか?」です。

実はこの言葉には、沢山聞きたいことが詰まっていて

「お父さんお元気ですか?」「ご病気なさっていませんか?」そして肝心の「頭、ハッキリしていらっしゃいますか?」です。

家や土地などの不動産って、お父さんにとっての重要な財産なので、所有者であるお父さんが、

「売る」という事をちゃんとわかって、「売りますよ。」と意思表示が出来ないと売れないんです。

とお話しすると、ほとんどの方が、えっ!?と言う顔をされます。

そうです。所有者が認知症だと、その方の名義の不動産は、売買できないんです。

私たちにとっては、基本の事ですが、一般の方は、まだまだご存知ない方が多いです。

そして、民事信託=親愛信託も同じで、まだまだご存知ない方がほとんどです。

これからも益々増えると思われる相続不動産の売却相談。

残念ながら今は、売却できません。と言う事が増えると思います。

様々な理由で、売却したい、お金に換えたいと言う時にできないと、ご家族にとって大きな大きな負担になることがあります。

そうならないための1つの解決方法が「信託」です。

先ずは皆さん、お父さんが認知症になると、お父さんの名義の土地や家は、売れなくなるということを

知ってください。そして転ばぬ先の杖として信託という制度があることを知ってください。

詳しくは、お気軽にお問い合わせください。


よつば民事信託とやま 理事 布村 之宏

【スタッフブログ】何をどうすれば信託したことになるの?

親愛信託(家族信託)をする。

具体的に、どのようなお手続きをするのかイメージが湧きにくいかもしれません。

信託の方法は信託法の中で色々と手続き方法は定められていますが、一般的な「信託契約を締結する」方法についてお話しします。

・財産を信託したい人(委託者)

・財産を信託される人(受託者)

この二者の「信託をする・される」の意思が合致すれば信託契約が成立です(法律用語で「諾成契約」と言います)。

信託法第3条第1号においてこのように規定されています。

特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、~中略~をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約

これは、民法で言う「契約」ではなくて、信託法で言う「信託行為」の一類型としての信託「契約」です。

委託者をSさん、受託者をTさんとして言い換えますと、
1)委託者SさんからTさんに対して財産を「譲渡」すること

2)Tさんがその財産を、『一定の目的』に従い、管理・処分・目的達成のために必要なことをしてください、という意思が合致していることで親愛信託は成立です。

1)でいう「譲渡」ですが、これも通常使う「譲渡」とは異なった意味であることに注意すべきです。通常の譲渡はまるごとあげることになりますが、信託の「譲渡」は、まるごとではなく、名義だけを受託者であるTさんにあげることになり、中身である権利は受益者であるSさんのものです。

「一定の目的」というのは親愛信託においては、以下のようなものが考えられます。

・自宅を子供に信託し、名義が子供に変わるので、子供が自宅を処分してその金銭は自分の老後の介護費用等に充てる

・所有している賃貸マンションの名義を子供に移し、賃料は自分が生きている間は施設に入るための費用に充てて欲しい。
自分が亡くなった後は子供と孫に均等に権利を分ける

・会社の株式の大半を自分で持っているので、後継者に信託して先に名義を移し、議決権の行使をしてもらいながら、株価低減対策をしつつ、少しずつ後継者に株式そのものを移してゆく

・浪費癖のある子供に、自分の相続で一気に財産が渡ってしまうと心配なので、別の子供に信託して浪費癖のある子供へは生活費程度のお金を毎月渡す

・ペットを飼っている人が、自分が入院したり、施設に入ったり亡くなってしまった後もペットを護るため、施設に対して月々の費用を払ってもらえるように、子供にペットと金銭を信託する

などなど…。人によって様々です。(上記はほんの一例です)

SさんにはSさんの目的があります。その目的を達成するために、Sさんは財産をTさんに信託するということになります。

「財産譲渡」ということが必要なので、その譲渡する財産が何か、はっきり定めることが必要です。特定でき、処分可能な財産であれば信託できます。

動産不動産といった有体物の他に無形財産(著作権、商標権など)も信託可能とされています。

現に存在している債権だけでなく現在は存在していないけども将来的に発生することが確定している債権も信託できるとされていますが、定め方にも一工夫が必要です。

なお、金融機関への預金は譲渡禁止特約が付いている債権としてそのまま信託財産にはできません。1回預金を現金化して信託する形になります。

通常は「信託契約書」というものに署名し実印を押します(公正証書にすることもあります。)。

契約書には、信託の目的や何が信託財産なのか(財産目録)、信託財産の管理・運用・処分方法、等々記載してあります。この具体的な内容については親愛信託(家族信託)の専門家と打ち合わせをして作ります。

(まさに千差万別で、契約者の名前だけ変えて同じ契約書というのは存在しません。)

これで、契約は成立ですが、不動産については登記をしないと、契約当事者である委託者と受託者以外の第三者に「この財産は信託財産である」という主張ができません。

(他にも細かいことが定められています。(参考)信託法第十四条 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。)

登記・登録をすることで第三者に対してこれが信託財産であると主張できるようになります。(信託の不動産登記はとても特殊ですので、当組合に所属している経験豊富な司法書士をご紹介いたします。)

信託契約締結後、金銭を信託した場合、信託不動産から家賃などの金銭が発生する場合(信託財産を運用、処分等することによって生じた金銭も信託財産となります)などには、銀行で【信託口口座】という親愛信託(家族信託)専用の口座を開設します(口座開設は色々ハードルがありますので、その支援も我々専門家が行います。)。

また、もしも建物を信託していた場合は、火災保険の名義を受託者Tさんに変えなければならないケースもあります。お手続きは損保会社によって異なりますので、信託した場合のお手続きのお問い合わせからします(この折衝も、我々専門家が行います。)。

未上場会社の株式を信託した場合は、その会社に信託譲渡承認請求や株主名簿書換手続請求をし、会社は信託譲渡承認(株主総会、取締役会等)、株主名簿書き換えをします(この書面作成支援も我々のお仕事です。)し、法人税申告の際の別表2の書き方も少し変わります。

債権も処分可能な財産ですので信託できますが、その具体的な方法(第三者対抗要件の具備等)については信託法上定めがありません。
また判例も殆どありません。
民法の類推解釈をするなどして、我々専門家集団が協議を重ねた上で、できるだけ納得度が高く、法的妥当性のある適切な手続きをご案内することになります(ここが、専門家の腕の見せ所です)。

その他、処分可能な財産であれば信託できますが、その第三者対抗要件具備について信託法で定めがない場合は、その他の法令から類推解釈したり、理論構築をして適切と考えられる方法を取ります。

まだ、他の制度との関係性などが、明確に決まっていないものもありますが、その時には、「決まってないから使わない」のではなく、もしも信託の有効性について争いが発生した場合でも、ジャッジをする方に、なぜそのようにしたのか理論立てて説明できるような方法を追求するべきでしょう。

なお、ひとつのケースで、ある手続きが有効であったからと言って、すべてのケースに当てはまるわけではないことにも注意する必要があります。

例えば、信託口口座開設一つとっても、〇〇銀行ではこの方法でやったから、□□銀行でもこの方法でできる、ということではありません。

親愛信託(家族信託)は、方法論が完全に確立されているわけではなく、手探りでやっていく必要があるのです。専門家側だけでなく、お客様にもそのことを納得していただくということが大切です。

信託契約を締結し、受託者Tさんと共同で行うべき手続きが済めば、委託者Sさん(親愛信託においては「受益者」でもあります)は何もすることはなく、Tさんから権利の内容の実現(金銭給付を受ける、報告を受ける等)をしてもらえればよいことになります。

受託者のTさんは信託が終了するまで、受託者としての義務に反さないように、所定のお手続きをしたり金銭管理等々様々な任務を果たすことになりますが、受託者のお仕事の内容については、色々と奥が深いのでまた別の機会に改めてご説明できればと思います。

よ・つ・ば親愛信託ちば AM

重要な本人確認

 私が金融機関に勤務していた平成のはじめくらいまでは「形式が整っていれば大丈夫な時代」でした。つまり、通帳と印鑑があれば口座名義人以外でも、預金を下ろすことができました。
 しかし、現在は違います。コンプライアンス、つまり、法律を守ることが厳しく求められる時代です。同居の家族でも、他人名義の預金を下ろそうとすると「本人を連れてきて下さい」といわれることが増えてきました。
 金融機関は預金者に被害が及ぶと、注意義務違反に問われることがあるため、慎重にならざるをえないのです。不動産においても売る時点での本人の意思確認が求められます。

 認知症など本人確認できない状況を作り出さないためにも、例えば認知症になる前の対策が必要となります。

 一つの方法として、認知症になる前に自分自身の意思を信頼できる家族に託す、そのことを契約書として残すことで問題を解決できます!

「親愛信託」これがキーワードです。

白井 篤