親愛信託でできること PART4

不動産の共有対策

  • 不動産(土地・建物)が共有状態にあると、どんな問題があるのでしょうか。

例えば、ある不動産の所有者が亡くなり、長男A、二男B、三男Cの3人が相続し、共有名義になったとします。

AとBがこの不動産を売却したいと思ってもCが遠方にいたり、売却に反対したりしてしまうと、不動産の全部を売却することが困難になってしまいます。

あるいは、ABCのうち誰かが認知症等になってしまっても同様に不動産の全部を売却することが困難になります。

なぜなら、共有名義の不動産は、共有者全員の合意がないと売却できないからです。

そのまま時間が経過して、ABCが亡くなってしまうと、それぞれの持ち分が相続され、さらに共有者が増える結果になり、もっと手続きが困難になってしまいます。

  • 親愛信託による解消

長男A、二男B、三男Cの共有名義の不動産がある場合に、BとCがAにこの不動産を信託します。

すると、不動産の名義人がAのみになります。

管理・処分権限を受託者Aが持つことになるのでAの判断で不動産の建て替えや売却ができるようになります。

Aがこの不動産を売却したときは、BCは受益者なので、売却代金を3分の1ずつ受け取ることができます。

このように親愛信託を利用することで共有状態が原因となるトラブルを予防しつつ、柔軟な対応が可能となります。

一般社団法人親愛信託東京 代表理事 
髙橋志乃

親愛信託でできること Part3

  • 事業承継・跡継ぎ問題の対策

中小企業庁公表の2016年データによると、日本の中小企業の割合は全企業の99.7%と言われています。

経営者の高齢化に伴い、事業承継・跡継ぎ問題が発生してきています。

特に経営者が創業者であった場合には、納得のいく後継者がいないということも多くあります。

仮に、子しか後継者がいない為、遺言書により保有する株式等を子に渡した場合でも、想いに反して子が第三者に株式等を売却してしまうこともあり得ます。

遺言では「後継者に受け継いだ財産をどのようにしてほしいか」までを明確にすることが困難となるためです。

親愛信託では財産をどのように引き継がせるかを「次の次の世代」以降に至るまで決めておくことが可能ですので、創業者の想いを事前に明確にすることで、後世まで想いを引き継ぐことができます。

また、自社株信託を活用することで、様々な対策をすることが可能ですが、こちらの内容はまた後日!

一般社団法人親愛信託東京 代表理事
髙橋志乃

親愛信託でできること Part2

  • 数世代にわたり資産の承継先を指定できる

故人(亡くなった方)が生前に自分の死後「どの相続財産を誰に、どのような形で、どれだけ渡すか」という最終の意思表示をするものに遺言があります。

このように遺言は、故人の意思として財産の承継先を指定することができます。

ただし、遺言で指定できるのは自分が直接財産を渡す相手だけです。つまり、自分の死によって発生する相続についてしか指定することができません。

例えば、先祖代々受け継がれてきた土地を子どもに相続するケースで考えてみましょう。自分の死後は長男、長男が亡くなった後は次男に相続したい場合でも遺言で指定できるのは、自分の死亡で発生した相続だけです。長男の死後までは指定できないのです。

しかし、親愛信託であれば、自分の死後のさらにその先の承継先について、指定することが可能です。

先の例でいうと、自分の死後はもちろん、長男の死後、さらに次男の死後も、信託法で定める一定の期間内であれば、何代か先まで先祖代々受け継がれてきた土地の承継先を指定することができるのです。

このように遺言で叶えられない自分の希望を叶えられるのが親愛信託なのです。

一般社団法人親愛信託東京 代表理事 
髙橋志乃

親愛信託ってどんな仕組み? 【Part2】

  • 親愛信託は、「誰が」「誰に」「誰のために」「何を」「どのように」信託するかという5つの要素で成り立っています。

・「誰が」=委託者

 もともと財産を持っていて、自分の決めた特定の財産の管理などを託す人

・「誰に」=受託者

 委託者から財産の管理などを託される人

・「誰のために」=受益者

 信託財産から利益を受け取る人

・「何を」=信託財産

 信託できる財産は「特定できるプラスの財産(金銭的価値に置き換えることが可能なもの)」です。

 具体的には、現金、土地や建物などの不動産、特許権や商標権、著作権などの知的所有権、絵画や骨董品などの美術品、株式会社の株式(自社株)などがあります。

・「どのように」=契約信託、自己信託

 契約信託は、委託者と受託者が信託の目的および信託財産の管理と処分の方法、誰を受益者にするか決めて合意することで成立します。

自己信託は、委託者と受託者が同一になり、信託宣言により成立します。

  • 親愛信託をすることによって、自分の持っている「特定できるプラスの財産」を信託財産にすることで、財産の名義人(受託者)と権利を持つ人(受益者)に分けることができます。

名義人と権利を持つ人が同じである所有権ではなくなるため、財産について自分で自由に管理方法や承継方法を決めることができるのです。

一般社団法人親愛信託東京 代表

髙橋志乃

高齢者のペット飼育 ~老後を安心してペットと暮らすために~

<脱走犬モップちゃんとの出会い>

愛犬と近所を散歩していたある日のことです。

毛むくじゃらなモップのような物体を歩道で見つけました。

よく見てみると犬のようです。かなり汚れていて、迷い犬だと思いました。

その犬(以下、モップちゃん)は慣れた足取りで商店街を歩いています。魚屋さんの前に来ると店主は“また来たのか”といった顔でオヤツをあげていました。

気になった私は、店主に「この犬って(まさか←心の声)飼い犬なんですか?」と尋ねました。すると店主は「そうなんだよね~、こう見えても近所のおばあちゃんが飼っていて、時々脱走してくるんだよ」と。

まさかの飼い犬!?こうなると気になってしょうがありません。質問も止まりません。

「でも、こんなに毛玉もできてるし、汚れているし、どうしてなんですか?」

「どうやって脱走してくるんですか?」などなど…

すると、この飼い主さん、高齢で少し認知症があるらしく、家の玄関の鍵を時々閉め忘れてしまうため、賢いモップちゃんは脱走してくること、また、体が不自由になってきているせいで、キチンとしたお手入れができないんじゃないかと教えてくれました。

言葉を失っている私にモップちゃんは“撫でて、撫でて!”と言わんばかりにお腹を見せたり、体をこすりつけたりして甘えてきます。とっても愛くるしい笑顔で。

これだけ人間のことが大好きで慣れているので、飼い主さんは愛情をもって接しているのでしょう。しかし、モップちゃんはヨークシャテリアという犬種で毛のカットやブラッシングなどのお手入れが必須の犬種だったのです。

お手入れされずに伸びた毛は固い毛玉になっていました。お尻にも大きな毛玉があちこちにできていて排泄物がこびりついています。愛くるしいお顔にもあちこちに大きな毛玉があります。さぞかし重たくて、体中痒そうで、かわいそうになりました。

その後、私は近くの交番までモップちゃんを届けました。

警察官は慣れた様子で「モップちゃんね、いつも脱走しちゃうんだよね~。飼い主さんにはいつも注意してるんだけど」と。

その言葉を聞いてちょっとイラついてしまった私は、「この近くには大きな二車線の道路もありますし、事故とかなる前にもう少し何とかできませんか?」と尋ねました。

しかし、警察官としてできることは見回りを強化することくらいだそうで…

結局、その日はモヤモヤしながらその場を離れました。

<私がとった次の行動>

次の日になってもその次の日になってもモップちゃんのことが頭から離れない私は、ネットなどで調べていくうちに飼い犬をお手入れしないことは消極的虐待(ネグレクト)に該当することを知ります。

動物虐待とは、「動物を不必要に苦しめる行為のこと」です。

正当な理由なく動物を殺したり傷つけたりする積極的な行為だけでなく、必要な世話を怠ったりケガや病気の治療をせずに放置したり、充分な餌や水を与えないなど、消極的虐待(ネグレクト)と呼ばれる行為も含まれます。

このことを知ってしまった以上、黙っていることができなかった私は、保健所に相談しました。お散歩やトリミングなど、困ったことがあればいくらでも協力すると飼い主の方にお伝えしていただき、万が一、モップちゃんが保健所預かりなどになるようなことがあったらうちの仔にする覚悟もあります!と。(今思えばうざいくらいだったかもしれません…)

保健所の方は、飼い主さんを訪問して今後の対策等決まり次第ご報告してくださることをお約束してくれました。

3週間ほど経ったころに保健所から飼い主さんの娘さんがお母様とモップちゃんの面倒を見てくださることになりましたと連絡がありました。

その後、近所でモップちゃんの姿を見かけることはなくなりました。

きっと娘さんのところで飼い主さんと一緒に幸せに暮らしているのでしょう。

この方の場合、娘さんが面倒を見てくれることになりましたが、それは結果的にそうなったに過ぎないのです。

もっと早くに対策を立てておけば、モップちゃんはあんなに毛玉だらけの体にならずに済んだのではないでしょうか。

<ご高齢の方がペットを飼う場合>

動物の愛護及び管理に関する法律には、動物の飼い主は、その動物が命を終えるまで 適切に飼養する「終生飼養」の責任があることが明示にされています。

ペットが安全に安心して暮らせる環境を用意してあげることが飼い主の努めなのです。

ご高齢の方がペットを飼う場合、ご自身のことと同じくらいペットのことで多くの心配事があるのではないでしょうか。

>病気になって入院することになったら…

>身体が不自由になって施設に入ることになったら…

>万が一、先立つようなことがあったら…

>預け先は決めているけど、ちゃんとお世話してくれるかしら…

>犬猫ホームは決めているけど、私が認知症になったらお世話代の支払いは娘ができるのかしら…

などなど…

<老後を安心してペットと暮らすために>

先に述べた心配事を【ペット信託®】を使うことで解決することができる場合があります。

ペット信託®を使うために必要なことは、

  • 自分が元気なうちに不測の事態に備えてペットのお世話先とペットのために使える財産を管理してくれる信頼できる人を決めておく
  • ペット信託契約を結ぶ

ポイントは【自分が元気なうちに】です。

たったこれだけで、安心して老後を大切なペットと過ごすことができるのです。

もちろん、それぞれの状況などで考えなければならないことはあると思いますが、シンプルに考えるとこの2点だけなのです。

あなたの大切なペットを守れるのは、飼い主であるあなただけなのです。

こんなはずじゃなかった…となる前に事前の対策を講じたいものですね。

【ペット信託®】についてもっと詳しく知りたい場合は、こちらのブログをご覧ください↓

※【ペット信託®】は、よつばグループ(協同組合親愛トラスト)の登録商標です。

一般社団法人親愛信託東京 代表理事 

愛玩動物飼養管理士 

ペット信託プランナー

髙橋志乃

親愛信託ってどんな仕組み? Part1

  • 親愛信託は、平成18年に改正された「信託法」をベースにした比較的新しい財産管理の方法です。

「信託」とは、言葉のとおり「信じて託す」こと。

親愛信託は、自分が最も信頼する人に自分の財産を託して管理や運用、承継先、処分などを任せる仕組みのことです。

例えば、「自分が年を取ってきたので、子供に財産の管理を任せたい」「認知症が心配なので、元気なうちに対策をしておきたい」という場合などに利用することができます。

  • 親愛信託は、どのような仕組みにするか、細かい内容を契約書等にして取り交わすことで成立します。

自分たちで内容を決めることができるため、状況に合った仕組みを比較的自由に作ることができるのです。

私は、例えて言うなら、家を建て、間取りを決めることに似ていると思います。

その家に住む方の状況、お一人様だったら?パートナーとの二人暮らしなら?

子供のいるご家族なら? 老夫婦二人なら? 看護する人がいたら? ペットを飼うなら? などなど・・・

その方の置かれている状況によって、必要な広さや間取りは異なると思います。しかし、すべて自由というわけではなく、建築基準という決まり事を守って建築しなくてはなりません。

親愛信託も信託法に基づいて、設計し、信託契約書を作成する必要があるのです。

そもそも「信託」って何?

  • そもそも「信託」って何?
  • 自分の財産のこれからの管理の方法や承継の方法についての約束事を信託法という法律に基づいて決めておくものです。信託した財産は「信託財産」と呼ばれます。
  • 信託銀行や信託会社などに手数料を払って管理してもらう信託を「商事信託」といいます。
  • 一方で、商事信託以外の信頼する人に自分の財産を管理してもらう信託のことは、「民事信託」「家族信託」「親愛信託」などの呼び方で呼ばれています。

私が所属するよつばグループでは家族に限らず、親と子の無償の愛の関係で成り立つ仕組みと考えておりますので「親愛信託」と呼んでいます。

「ペット信託」や「実家信託」「株式信託」などは信託財産がペットや実家、株式というだけで別の仕組みを示しているわけではありません。

一般社団法人親愛信託東京 代表理事 高橋志乃

人生を託して続くよいつまでも

相続税対策で不動産の賃貸経営が有利というお話は、未だによく聞くお話です。次世代のことも想っての賃貸経営スタートは、確かに相続財産の評価を下げることには有効ですが、一番大事な事は、その次世代の方々へ資産を引き継ぐということだけでなく、「賃貸経営も引き継ぐ」ことだと思っています。

賃貸管理を全て不動産屋さんに任せて、税務申告は税理士に頼んだら楽かというと、建物の修繕も含めてそれぞれの業者との打ち合わせや立会いが必要となり、決して楽なことではありません。ましてや、ご自身で全て管理されるとなると、経営スキルが要求されることとなるのです。これ、相続人として急に引き継ぐこととなった人によっては、実は重要なポイントで大変なことだったりします。

この事業承継、生前から信託をして管理経営の練習をしてもらったら良いのではと思っています。離れて暮らしているお子様たちは、親の賃貸物件を誰がサポートしていて、どんなお話をしているかさえ知らない事も多いです。信託により、親として見守りながら早めに賃貸経営をやっていけるかどうか経験してもらい、家族間でリアルな会話も増えるといいなぁと思います。もしかしたら税金払ってでも現金がいいなぁとなるかもしれませんね。

一般社団法人よ・つ・ば親愛信託チバ 理事 土田佳代子

相続プロコレクトに、親愛信託が紹介されました!

相続プロコレクトに、親愛信託が紹介されました!
https://souzokusp.com/shinai-trust/

相続プロコレクトは、正解(correct)を教える相続の専門家を収集する(collect)を理念に弁護士の立ち上げた相続問題解決メディア。相続について詳しい解説記事が多数掲載されています。
よ・つ・ばとしても、依頼者のお悩み解決または目的を叶える1つの方法として、親愛信託の提案で関わっていきたいと思っています。
志が同じ仲間と協力していくことは、依頼者のためにも私たち取り組む側のためにもなると思っています。
これからも一人でも多くの方に必要な情報を届けられるように頑張っていきたいと思います!

親愛信託の必要性を感じたこと

先日、私の地元に家族と帰省した際に感じたことと親愛信託の必要性を記します。
父方の祖父に会いに行ったときのことです。
昨年の6 月に祖母が亡くなり、それから祖父は1人で身の回りのことをしています。
今まで祖母に任せっきりだったこともあり、当初は慣れなくて大変だったそうです。
近所に⾧女が住んでおり、助けも借りながら生活し、だんだん身の回りのことも慣れてきま
した。
身の回りのことも慣れないうちは大変だったそうですが、何よりも話し相手がいないとい
うことが辛いということでした。
祖父の言葉で印象的だったのは、結婚には覚悟が必要、ということです。
遅かれ早かれ、いつか人は死ぬ、と頭では分かっていても、
日常を過ごしていく中でそのことを常に意識できている人は多くないと思います。
今回、祖父に会って話したことで将来のことを念頭におくこと、できうる対策はなるべく早
く行うこと、を意識していくことが大事だと感じました。
親愛信託や生命保険を考えることは人生を考えることと同じと思います。
日本においても人生を考えるという意味合いで親愛信託が普及することを願います。
また、母方の祖母に会いに行ったときのことです。
祖母は数年前から認知症という状態でした。
私たちが訪れた際には祖母は要介護5ということで、
デイサービスから帰ってきた祖母を同居の叔父と一緒にサポートしながら
なんとか椅子に座らせたのですが、それだけでも大変でした。
祖母は孫である私の顔を見ても話しかけても反応は鈍かったのですが、目の光を見る限り
分かっているのだな、というふうに感じました。
また、私の娘の手を祖母に差し出した際に、祖母はひ孫の存在を分かっていると確信しまし
た。祖母は娘の手を、それは、それは優しい指づかいで触れるのです。
本当に大事なものを扱うような、確かめるような指づかいで。
分かっているけど、それを表現するのが難しい。
認知症となると意思表示は難しくなりますが、たしかに分かっている。
祖母の想いを感じ取ることができました。
想いがあっても表現できない。もしそうなったとしても、せめても想いを叶えてあげる為に
も、親愛信託が必要なケースはあると思います。
親愛信託は単なる認知症対策ではありません。
なぜ親愛信託というのか。
そこには単なるスキームではない何かがあるはずです。親愛信託の専門家や関わる人間は
常に念頭に置く必要があります。
私は生命保険の専門家として、よつばの仲間と共に相互研鑽し、親愛信託や生命保険によっ
て相談者の想いの実現に寄与して参ります。


一般社団法人よつば民事信託協会大阪 理事 新井勇樹