親なきあとへの備えも大事だが親の終活問題も考えよう

先日、親なきあとの備えについて障がい者の家族の支援や情報提供を行なっている方のセミナーを受講しました。

その方は二人の知的障がい者のお母さんでした。自身の経験から同じように「親なきあと」の心配をしている方が大勢いることを知り、講演活動等を通じて、将来に備えることの重要性を訴えているそうです。

彼女は、「親なき」という言葉は「親亡き」だけではなく親が生きているときのことも考えていかないといけない。だから「親なき」だとおっしゃっていました。確かにそのとおりです。

知的障がい者をお持ちの親は自分達が亡くなったあとのことを考えています。

しかし、親である自分達が認知症等になった場合等自分達のことも考えておかないといけません。

■親の死亡後について

・障がいのある子にどの財産をどう残すのか?

・障がい者本人は財産管理ができないので、誰に管理してもらうか?

・障がい者が亡くなった後の財産の承継をどうするのか?

・障がい者の葬送(葬儀・墓地・法要等)はどうするのか?

等を考えておく必要があります。

■親自身の終活について

・自分が認知症等になった場合の財産管理はどうするのか?

・自分達の面倒は誰にしてもらうのか?

・子ども達の面倒を誰にしてもらうのか?

・相続はどうするのか?

・葬送(葬儀・墓地・法要等)はどうするのか?

等を考えておく必要があります。

まずは家族でどうしたいのかを考えましょう。

そして、それをどのように実行していけるのかを様々な法律・制度を活用して実行できるように検討して行きましょう。

・親愛信託(家族信託)

・成年後見制度

・遺言

・日常生活自立支援制度

等どの方法がよいかを検討し、実行して行きましょう。

親愛信託は、

・親自身が認知症になった場合に財産(受益権)管理ができます

・親が亡くなった後に障がい者に財産(受益権)を承継できます

・障がい者の財産(受益権)の管理もできます。

・障がい者が亡くなった後に他の方へ財産(受益権)を承継できます

等とても有効な手段だと思います。

ただ、実際に活用するにあたっては、いろいろなシチュエーションや他の制度との併用も考えながら進めて行きます。

親が元気な今のうちに検討をしていただきたいです。

一般社団法人よつば親愛信託大分 理事 阿部豊志

離婚した方に喜ばれる親愛信託

昨今、結婚して子ができた後に離婚する方も多いと思われますが、本日は、そのような方に喜ばれる親愛信託の利用例を2件紹介いたします。

1.離婚後、再婚したが、現配偶者との間には子がいない場合、通常の相続ですと自分の死後、現配偶者と子(前配偶者との間の子)が相続人となります。そして、現配偶者の死後は現配偶者が相続した財産は現配偶者の兄弟姉妹等に承継されてしまい、自分の子がその財産を承継できなくなる可能性があります。

しかし、親愛信託を利用すれば、自分の死後、現配偶者が承継した財産が、現配偶者の死後は自分の子に承継されるようにすることができます。自分→現配偶者→子の順に二段階で財産を承継させるスキームが実現可能なのです。

2.離婚後、独身の場合、自分の死後、財産は子のみに相続されます。しかし、子が未成年で、且つ、子の親権を前配偶者が持っている場合、子が相続した財産は親権者である前配偶者が管理することになります。この場合、前配偶者に浪費癖があったりすると、子が相続した財産を前配偶者が浪費してしまう可能性があります。

しかし、親愛信託を利用すれば、信頼できる方(受託者)に財産を管理してもらい、自分の死後、もう一人の信頼できる方(受益者代理人)に未成年の子が承継した財産の利用権を代理してもらうことで、子が承継した財産を前配偶者の管理下から外し、前配偶者から守ることができます。

以上のようなスキームは、信託以外の方法では不可能と考えられています。家庭環境が複雑化した現代においては、親愛信託の活用の場面はこれからますます増えていくと思われます。本稿をご覧いただき、ご興味を持たれた方は、ぜひ一度、当組合のコンサルタントにご相談ください。ご相談をお待ち申し上げております。

(一社)よ・つ・ば親愛信託ちば 代表理事 山口英一

始期付きの信託契約のリスク

 民事信託の相談を受けていると、当事者(特に当初受託者)又は委託者の顧問の税理士の先生から信託を始期(1月1日)付きの契約にしたいとの要望のあるケースがあります。

 理由としましては、特に個人で収益物件を持たれている方を委託者とする場合に多いのですが、計算が煩雑になる為最初の信託の計算期間を確定申告の計算期間である毎年1月1日に揃えたいという事が多いです。

 この場合、信託契約日から信託開始日までに委託者に何かあった場合のリスクのご説明が不可欠となります。

 特に収益物件等の不動産がある場合、信託契約が終わっていても、信託が開始した1月1日以後にあらためて受託者名義に不動産の移転登記及び信託をすることについて委託者に意思確認及び委託者の判断能力の確認をする必要があります。(仮に信託開始日に委託者が判断能力を喪失されていた場合、信託自体は開始してますが、所有権移転、信託登記ができず、登記の為に成年後見人を選任しなくてはならなくなってしまう恐れもあります。)

 信託契約から登記までの期間としては、始期付きの契約の場合も数か月程度の事が多いですが、この期間内に委託者の状態が変化してしまうリスクを甘くみてはいけないと思います。

 ご高齢の方ですと、お元気でらっしゃっても急に認知症の症状が出てしまう場合が少なくありません。実際に相談者と老人ホームでお会いした際に全く問題なく会話ができていたにも関わらず、数か月後に再度お会いすると私を相談者の息子様と間違われてしまったケースも最近ありました。

 また委託者の判断能力はしっかりしてらっしゃっても怪我をされて入院されただけで、数か月にわたりご家族も含め面会できなくなってしまったケースがこのコロナ禍の数年に頻繁にありました。

 面会ができませんと委託者の意思確認や判断能力の確認も難しくなります。さらに入院前は問題がなくても入院中に判断能力も低下してしまう可能性もあります。

 

 その場合でも家族がみな信託について了解しているのだから、登記申請をしても実際は問題にならないとお考えの方もいらっしゃると思います。

 では委託者が交通事故で昏睡状態になってしまった場合も所有権移転と信託の登記申請は可能だと思われますでしょうか?

 私個人としましては、始期付きの契約のリスクを考え、計算がご面倒でも始期付きの契約を極力避けて頂く方がいいではないかと考えております。

 相談者や依頼者には、始期付きの契約にすると、信託の計算の煩雑さを避けられるかも知れませんが、決して小さくないリスクがある旨をお伝えして最終的なご判断を頂いております。

一般社団法人よつば香川民事信託推進協議会 代表理事 門馬良典

【親愛信託活用法】共有不動産の名義一元化

不動産は、一人の人が単独で所有する方がよい、と言われます。

とは言いながら、

・マイホームを買うとき親にお金を出してもらった…

・夫婦でお金を半分ずつ出し合ってマイホームを買った…

・親が亡くなってきょうだいで不動産を相続ことになってしまった…

・おじおばが亡くなって、いとこ同士で不動産を相続することになってしまった…

…等々をきっかけとして不動産を共有で持つ場合があります。

※共有とは、1つのものを複数の人で所有する状態をいいます。

1人の人が所有している場合は、【「所有権」で持っている(一人で所有している)】、などと言いますが、複数の人が共有している場合は【「持分(権)」で持っている(複数で共有している)】などと言ったりします。

では、なぜ、一人の人が単独で所有する方がよい、と言われるのでしょうか。

複数の人で不動産を共有したら、どのような不都合・不具合があるのでしょうか。

実際、不動産を共有にすると、

・売却処分がしにくい(全員の同意がいる)

・不動産を担保に入れてお金を借りることが実質的に難しい

これは、不動産全体を処分したり担保に入れたりということが困難になる、ということです。

すなわち、

        一人でも認知症だったり、意思表示できなかったりする人がいると不可

        一人でも反対の人がいると不可

        一人でも行方不明の人がいると不可

ということです。

勿論、不動産全体じゃないと処分できない、という法律はありません。持分でも、法律的には支障なく処分できることはできます。(※2023年4月27日から新設される「相続土地国庫帰属制度(相続した土地を国が引き取る制度)」を使う時は、共有者全員による申請が必要とされています。) 

ただ、不動産全体ではなく共有の持分だけを処分しようとすると、不動産全体を処分するよりもかなり安価で処分することになってしまうことが多いです。

また不動産の持分に抵当権などの担保権をつけることは民法上で勿論可能です。ただ、実際、銀行等の金融機関からお金を借りる時に抵当権等の担保権をつける場合は、持分ではなく不動産全部につけることが通例となっています。すなわち、お金を借りる人が共有者の中の一人だけだった場合でも、共有者全員に抵当権を設定する契約書にハンコをついてもらうことが必要となります。

また、共有不動産ですと、

・賃貸もしにくい(持分の過半数の同意が必要)

ということがあります。

一応、共有者のうち1人が単独でもできることもあります。

・土地の場合、境界特定、筆界特定の手続き

・建物の軽微な修繕(大規模修繕は注意)

・固定資産税については、代表者が一括で払うのが通常

管理保全行為と言いますが、そのような行為は共有者のうちのひとりでもできます。

ひとりの共有者が不動産をまもるために費用をかけた場合、別の共有者に請求をすることは法律的には可能です。立替た分の固定資産税も請求する権利があります。

ただ、実際のところお金をもらうことはむつかしいのではないでしょうか。

最近、電車などで見る広告に「持分を買い取ります!」というものがあります。

今まで書いたように、不動産を共有で持っていても、なかなかお金になりにくいので、手っ取り早くお金に変えるために、不動産の持分をそのような広告を出している業者さんに売ることもあるようです。

その場合、何が起こるでしょうか。

不動産業者が共有者の一人から、持分を買い取ると、その不動産会社が共有者の一人に変わります。

例えば相続などできょうだいで共有していたものが、きょうだいではなく、不動産会社さんに置き換わります。

その不動産会社は、共有不動産買い取りをはじめとする不動産の扱いに関して、プロフェッショナルです。

いろいろな手段で、他の共有者から共有持分を買取るように「交渉」をします。

身内だけで持っていたものに「プロ」が入り込み、買取の為の価格交渉をする、というわけです。

一般の不動産売買の知識が余り無い方にとって、非常に負担になると思われます。

また、共有状態のまま不動産を処分することなく、相続が何代か発生した場合更に共有する当事者が増加し、いざ、処分しようにも全員の合意を得ることが実質不可能になることがあります。

2024年4月1日から、不動産に関する相続登記が義務化されることになります。共有持分を持っている方々も同じように相続登記が義務化されます。売却の前に不動産登記をするだけでも相当な困難が生じることが予想されます。

これまで書きました通り、共有にすると色々と不都合、不具合がありますので、不動産の相続のときは、一人に名義を集中させるケースが増えています。

ただ、土地の名義人になれなかった相続人に支払う代償金が集まらず、やむを得ず共有にすることもあるでしょう。

お金がそろった後、名義を一人に集中させたくても、売買だとやはり売却費用がかかり、共有相手に贈与をすれば贈与税がかかり、また不動産取得税の負担もあります。

ただ、やはり共有不動産の名義を一人に集中させたい、そんな場合、親愛信託を使う方法があります。

贈与税、不動産取得税の負担がなく、名義だけを一人に集中させるのです。

共有状態の解消に親愛信託が使える

一人に名義を集中させるとき、すなわち信託契約をするとき登記が必要になります。

ただ、登記の際に必要な登録免許税は同じような名義移転である売買や贈与に比べて安いです。

登記の際必要な登録免許税

・売買…不動産評価額の1000分の15※軽減税率(2023年3月31日までの間に登記を受ける場合)

・贈与…不動産評価額の1000分の20

・信託…建物の場合は不動産評価額の1000分の4、土地の場合は不動産評価額の1000分の3

では、共有者が、一人の受託者に不動産の持分を親愛信託した場合、利益の分け方はどうなるでしょうか。

共有状態解消信託した不動産を賃貸借した場合

実は、賃貸借しても売却しても、利益の分け方は、「信託契約書で定めます。」

受益者である共有者が、その持分の範囲で金銭を受託者から受け取ることができる、というような形で決めることが多いです。

ただ、

・共有者のひとりにお金をどんどん浪費してしまう人がいる

・身内で借金を抱えている人がいる

等々、お金を簡単に渡さない方がいいと思われる方がいた場合はどうでしょうか。

そのままお金を渡すことがその人の為にならない場合もあります。

そういう場合に、親愛信託をして「受益権」とすることで、お金をむやみに渡さないようにすることも可能です。

親愛信託をすると、元々持っていた不動産の持分が、「受益権」に変ります。

「受益権」はややわかりにくい概念ですが、信託した財産をもとにした「権利」です。

信託する前の所有権も(持分権も)「権利」ですが、信託した後の「受益権」も権利です。

所有権はその物を色々と管理をしたり、保全をしたりという義務も伴いますが、「受益権」だけを持っている場合は、その物にたいして何か義務を果たさないといけない、ということはなくなります。(物について、管理したり保全したりの義務を果たすのは「受託者」です)

受益権は権利そのものではありますが、信託契約書によって、その権利の内容を決めることができます。

従いまして、お金をそのまま渡す…という【以外】の、「受益権」の内容を信託契約で決めることができます。(勿論、お金をそのまま渡す、という決め方もできます。)

その「受益権の内容」のカスタマイズについては、お客様のご事情、ご希望をお伺いし(プライベートなことを色々と聞かせていただきますが、秘密保持義務を厳守いたしますので、ご安心してお話しください)、当法人(組合)には経験に基づいたノウハウにより提案させていただいております。

例えば、信託不動産を貸すなどして賃借金などのお金が生じた時、受益者に対してすぐに金銭で渡すのでなく、お客様の希望により、

・金銭を年額で支払う

・売却するまでプールしておく

・受益者から請求があったとき(上限額を予め定めて)はじめて請求額分を支払う、

・上限額として生活費程度の金額を毎月渡すが、入院費等で使う場合には制限をつけない

等々、契約書に定めておくことができます。

また、共有者全員が親愛信託をして名義人を一人に集約すると、売却などの処分行為がその受託者の判断で行えます。

(もしも、受託者一人で全部決められるのはいやだな、とお考えの方がおられる場合、同意又は承諾する権利をその方がお元気な間、行使してもらって売却する、ということも可能です。)

共有状態解消信託した不動産を売却した場合

親愛信託した不動産を売却した場合、信託財産が不動産から、金銭に変わることになります。

(必ずしも売却により信託が終了するわけではありません。)

共有状態が不便なので、親愛信託をしたわけですから、信託財産が不動産の共有持分から金銭に変ったら信託を終了させる契約をすることが多いです(そのまま金銭信託に移行させることもできます。)。

信託を終了させると、「清算」、清算が終わったら、残った財産(残余財産)は、信託契約上残余財産を持つことに決まっている人(残余財産帰属権利者、最後の受益者を残余財産帰属権利者とする取り決めが多いです)が所有することとなります。

上記の場合は、売買にかかった費用等を清算して、受託者報酬を払うことに決まっていた場合はそれを支払い、残った金銭を元の受益者が受け取る、と言う流れになるでしょう。

まとめ

共有状態のまま、共有者が全員元気で、海外に行っている人や行方不明者もおらず、売買できるということもあります。

ただ、そうでない場合は、親愛信託で名義を集約することで、課税負担等を最低限にして、慌てて安値で処分をすることなく、良い売買先をじっくり探したり、お金に困った共有者が先駆けて不動産業者に持分を売って、共有者に「赤の他人」が入り込むことを防ぐことができます。

不動産共有をされている方だけでなく、不動産共有状態にこれからなりそうだという方は是非、導入のご検討をしていただければと思います。当組合又は社団までご相談ください。

よ・つ・ば親愛信託ちば 理事 望月亜矢子


広島銀行での信託口口座の作成について

2022年10月1日より、広島銀行で信託口口座を作成する際に、手数料55,000円(消費税込)がかかることになりました。これからは、無料で信託口口座の作成ができませんのでご注意ください。お客様に費用を伝えられる際には、注意をしましょう。

また、信託口口座を作成するためには、本店・支店を問わず、事前予約が必要となります。

(こちらは、コロナ禍になってからだと思います。)

広島銀行に事前予約のお電話をされる際には、民事信託の専用口座を作成したいとお電話でお伝えしたら伝わりやすいと思います。

必要書類につきましては、信託契約公正証書等、お客様の本人確認書類、通帳印等が必要となります。本人確認書類で、顔写真付きのものがない場合には、印鑑証明書とご実印を持参すれば本人確認書類に代えられるそうです。

手続きにつきましては当日中に完結せず、申請(必要書類提出)後暫くすると、信託口口座用の通帳・カードが書留等で受託者宛に送られてきます。

皆さまのご参考になれば幸いです。

一般社団法人よつば民事信託協会ひろしま 代表理事 茂木武志

家族の幸せをつなぐ。親愛信託
~よつば民事信託とやまの活動事例です。~

◇「民事信託をいかに活用するか?その一つが、実家相続。

社会問題となっております。人生100年時代、大認知症時代。少子化。

空き家問題は大きな課題となっております。

◇空き家問題、実家相続問題からアプローチします。

もちろん、不動産固有の問題点も有りますが、一番効果のあるのが、民事信託、親愛信託を

使えば、民法、相続法ではできない事ができると言う気づきです。

◇連続信託。もちろん認知症対策も必要です。信託が間に合わない場合には贈与(相続時

精算課税)を使います。

一代で終了する信託。一般的には「家族信託」で

親しまれていますが・・・これでも充分使えます。メリットも多いのですが

成年後見制度の変わりに信託を使う?・・それだけではない。

連続信託はこう使う。相談事例が最も多いケースです。

父まだ意思能力はある。母親と長男、長女が登場人物。

相談者「遺言書を作成した方が良いですよね」

私「そうですね。遺言書があれば相続人で揉めなくて済みます」

 「しかし、遺言書はお父様がお亡くなりになって始めて効力があります。

  認知症になられて、資産が凍結してしまうと、例えば介護資金を出そうと

  思ってもできなくなります。銀行は成年後見制度を使えばと言いますが」

 「もっといい方法があれば検討されますか?」

相談者「そんないい方法ってありますか?魔法の杖?」

私 「そうです。魔法の杖です。親愛信託と言います」

相談者「はじめて聞きました。信託銀行? どんな風に使うのですか?」

私「信託銀行では有りません。家族が家族のために使える信託です。」

 「ところで、お父様がお亡くなりになり、遺言書がなくて、相続人で

  遺産分割協議をする場面になりました。ところがお母様が認知症に

  なっておられます。どうしたら良いでしょうか?」

相談者「銀行は成年後見の申請をしてくださいと言っていました」

私「成年後見制度についてのメリット、デイメリットの説明は省略しますが、

  連続信託を使えばこの問題は解決します。

  連続信託は信託法の世界ではできますが、民法の世界ではできません。」

相談者「是非教えてください。魔法の杖ですね」

私「お父様が認知症になられる前に、委託者はお父様です。息子様を受託者とします。

  一次受益者はお父様。連続信託で二次受益者をお母様にし、お母様がお亡くなりに

  なられたら受益権の最終帰属権者を受託者である息子様にして信託を終了させます。

  

  専門用語ばかりですので、もう少しわかり易く説明します。」

  

 「お父様の信託契約でお父様がお亡くなりになられたら、二次受益者をお母様にします。受託者は息子様です。お母様がお亡くなりになられたら、受益権は息子様に継がれ、信託はここで終了します。。これが連続信託です。」

 

「お父様がお亡くなるになり、お母様が施設に入られました。家は空き家になります。

  そんなときに住まなくなった家を処分して、介護資金に充てたいですよね。

  それを叶えるのが親愛信託の連続信託機能です。」

相談者「なんとなく理解しました。遺言書と成年後見だけではないのですね。魔法の杖

    です。」

◇こんな風にクライアントのご相談を受け、問題解決をします。

最初は「空き家心配」「遺言書と成年後見制度」でしたが、

「信託の説明をすると、魔法の杖ですねと民法以外の解決ツールがある事を

 理解されます」

 その後は、料金、手続きにかかる日数の質問になります。

決して「最初から信託ありき」ではありません。

相談プロセスの中で信託についてのメリットの気づきとなります。

一般社団法人よつば民事信託とやま 理事 前田敏

傾聴とは?

私が⽇頃⾏政書⼠として相談業務を⾏う中で、意識しているのが、「傾聴
する」ことです。
「傾聴」とは…
相⼿のいうことを否定せず、⽿も⼼も傾けて、相⼿の話を「聴く」会話技
術を指します。意識すべきなのは、相⼿に共感し、信頼していると⽰すこ
と。
(コトバンクから引⽤)
⽿だけでなく⼼も傾けて、相⼿に共感し信頼していると⽰す。
⾔葉で表すと簡単なようで、実際にはなかなか難しいです。
こちら側が信頼していると⽰すからこそ、それを相⼿側が感じて受け⽌め
てくれたならば、話しづらいこともお話してくださるのだなと。
ご相談内容はさまざまですが、⾝近な⽅々との深いお悩みなどであれば、
なおさらです。
限られた時間の中で、傾聴することを意識しながら相談を受けていく。
お話をお聴きしていく中で、解決できること、できないことが整理されて
いく中で、その解決⽅法の⼀つとして、信託が候補としてあがることがあ
ります。
その際に、親愛信託をご提案させていただきます。
お困りごとの解決策に親愛信託がお役に⽴てるかもしれません。
お近くのよつばグループ各社団へご相談ください。
よつばグループは
来⽉10⽉より、毎⽉4⽇を「よつばの⽇」として、セミナーを開催いたしま
す。
松尾陽⼦代表が、講師として全国のよつばグループを巡ります。
第1回のリアル開催は東京。
リアルとオンラインのハイブリッド開催です。
初⼼者セミナーと実務者セミナーの2本⽴てで実施します。
セミナーのお申込みはこちらから
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皆様のご参加、お待ちしております。


よ•つ•ば親愛信託普及連合 理事 林 直美

自分の財産のゆくえ

信託法を学んで一番驚いたのは、自分の死後の財産のゆくえを、相続法とは違う方法で決められることです。

例えば、子供のいない夫婦で、大切な妻に自分の全財産を相続させるという遺言を作成すると、後にその妻が亡くなった場合、その財産はもともとのその財産を築いた夫の親族にではなく、妻の兄弟や甥姪に渡ることになります。夫が祖先から受け継いだ財産であっても、一旦妻の所有となれば、夫側に戻ることはありません。これが民法の規定です。

 仕事柄、様々な遺産争いを見ますが、不動産を含む夫側の遺産について、妻側の相続人が争うことを何とも理不尽に感じてきました。

 ところが、信託法では、一旦妻に渡しても、妻の死後は妻の親族にではなく、自分の親族に戻すことができるのです。

 これは、妻に渡すのが所有権ではなく、受益権だからです。

 この説明が少し難しいのですが、基本的な登場人物は3名です。財産名義人=委託者。その財産から利益を受ける人=受益者。財産名義人である委託者から財産を預かって管理(運用、処分も)し、利益を受益者に渡す人=受託者。財産名義人は「委託者」という名前になり、財産を預かって管理から処分までできてしまう人は「受託者」と言います。そして信託した財産については「所有権者」というものが存在しなくなります。

 具体的にいうと、賃貸アパートの所有者である夫=委託者が、自分の信頼する自分の弟の娘(姪)=受託者に、不動産の管理を依頼する内容の契約をします。=信託契約。この時点で、「所有者」は「委託者」となります。自分が生きている間は、アパートの家賃は自分に振り込まれるように=当初受益者、自分の死後は妻に家賃が振り込まれるように=後継受益者。そして、妻の死後は、信託を終了させて、そのアパートの所有権を復活させて、受託者であった姪を所有権者とします。=帰属権利者。

 妻が亡くなっても信託を終了させないような設計も出来ます。姪を第三次受益者、姪の子を第四次受益者にする、という風に。

 しかし、あまりに長い契約期間とすると、本当にそれが実現できるのか、法律や税制が変わればどうなるのか等、不確定要素が増えていきます。

 ですので、信託の組成を誰に依頼するかが本当に大切になります。

 まずは、ご自分がどうしたいのかのびのび考えて下さい。私達よつばグループのコンサルタントが協力し合って、その希望をしっかりと叶えるために全力でサポート致します。

 親愛信託を使って、相続法に縛られることのない財産のゆくえの可能性を広げましょう。

一般社団法人よ・つ・ば民事信託協会大阪  理事 濵田誠子

相続放棄と民法第940条の改正

 「空き家」に関する相談会を開催すると、親名義のボロボロの空き家があるが、これを相続放棄したいといった内容の相談を時々受けます。相続放棄はすべての財産を相続しないという手続きですので、その中に空き家があってももちろん相続放棄はできます。

 ところが、民法に以下のような規定があります。

 民法第940条第1項「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となったものが相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」(改正前)

 つまり、自身が相続放棄をしても次の管理者に引き継ぐまでは、管理責任が発生するということです。ただ、この管理責任がどこまでの管理を要求しているのか判然としません。例えば、相続放棄をした空き家が倒壊しそうになっている場合、これを修繕することまで要求するのは、難しいのではないかとも思えます。

 この規定が、令和5年4月1日より以下のように改正されます。

 民法第940条第1項「相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。」(改正後)

 つまり、「現に占有している」相続財産に限り清算人等に引き渡すまでの間、管理責任が発生するように改正されるわけです。

ボロボロの空き家を相続放棄したいと思っている人にとっては朗報かもしれません。

 しかし、相続放棄されて空き家が放置されるという問題は依然残ったままです。

 ではどうすれば良いか。相続放棄の結果、相続人がいなくなってしまった場合は、家庭裁判所に「相続財産管理人」の選任申立てをして、相続財産管理人に引き渡すことで、管理を引継ぐことができ、さらに管理責任を完全に逃れることができます。ただ、相続財産管理人選任の申立ては、それなりの費用がかかりそれが捻出できないため、相続放棄のみして終了しているケースも多いようです。

 このような事態にさせないために、不動産を所有している人が元気なうちに、空き家放置を予防するような手続きをしておくことをお勧めします。遺言や信託契約など、所有者が元気であれば選択肢はたくさんあります。ぜひお早めに検討してみてください。

協同組合親愛トラスト 理事 司法書士 田代洋平

健康寿命と親愛信託

先日、厚生労働省が発表した『令和3年簡易生命表の概要(R4.7.29厚生労働省)』によると平均寿命が、男性81.47歳、女性87.57歳となり平均寿命(2021)と健康寿命(2019)との差は、男性8.79年、女性12.19年となっています。一方、健康寿命は、2019年時点で男性72.68歳、女性75.38歳となり下記の図表は2016年のデータですが、この健康寿命をいかに伸ばすかが大きな課題になっております。

              (図-1厚生労働省平均寿命と健康寿命e-ヘルスネット引用)

それでは、平均寿命と健康寿命を見てみましょう。

2016年における我が国の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳であり、健康寿命とはそれぞれ約9年、約12年の差があります。平均寿命とは「0歳における平均余命」のことで、一方、健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこといい、平均寿命と健康寿命の差は日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味し、その期間は、2016年では男性8.84年、女性12.35年となっています。

又、厚生労働省第23回生命表(完全生命表)の概要によれば、死亡最多年齢は、男性88歳、女性93歳で、死亡最多年齢とは、10万人の出生者が生命表上の年齢別死亡率に従って死亡していくとした場合の死亡数をみた場合に第23回生命表において、男性88歳、女性93歳でピークを迎えた後、死亡年齢は急激に減少しているとしています。

又、寿命中位数(出生者の半数が生存すると期待される年数)は、第23回生命表において、男性84.51歳、女性90.55歳である。(厚労省第23回生命表(完全生命表)の概要より抜粋)

下記の図は、2016年時の平均寿命と健康寿命の男女別年齢差を表した図である。(図-2(厚労省e-ヘルスネットより))

(図-2厚生労働省平均寿命と健康寿命e-ヘルスネット引用)

それでは、男女別に90歳を迎える者の割合を見てみると2021年度集計で、男性の28.1%女性でなんと52.6%が90歳を迎えることができています。(図-3)男性の4人に1、女性の2人に1人が90歳を迎えることができていますが、95歳となると男性10.1%女性27.1%と急激に下がることがわかります。

平均寿命が延伸したことにより、生命表上の特定の年齢まで生存する割合も年々上がっています。

(図-3厚生労働省令和3年簡易生命表の概要より作成)

このように、男性の3割近く、女性の過半数以上の方が90歳まで生存する状況であり、いかに健康年齢を延ばすことが重要であることがわかります。

そして、相続対策として多くの方が遺言書を書いたから安心と考えがちですが、遺言書は、あくまでご本人が死亡された後の対策でありご本人が生存されているときの効力はありません。

その点において、親愛信託をはじめとする信託を活用することによりご本人が生存している期間の介護費用やご本人の財産をご本人の健康寿命を延伸するために使用することができる親愛信託が今後益々重要になっていくものと考えます。

本人死亡後の二代、三代先と連続した信託財産の管理運用処分も可能となりますし、生前のご自身の健康寿命延伸のための身体的、精神的健康を維持する費用から死亡後に至るまで効力のある親愛信託契約を組成し、家族に限定せず、信じて託す信託制度を普及するために日々普及活動を推進致したいと考えます。

一般社団法人親愛信託東京 理事 髙橋恒夫