質問型営業®のススメ

職場の同僚から聞いた「質問型営業®」ということば。

説明型営業と対比される営業の手法だそう。

そもそも営業のスキルは私たち親愛信託の専門家に必要か?

答えはイエスである。

いくら親愛信託の知識を深めたところで、実際に相談者に採用されなければ実績とならない。一方で、無理に親愛信託をすすめるのも違う。

「人は自分の思った通りにしか動かない」

分かっているようで分かっていないこの言葉。私たちは親愛信託の専門家であるので、これこれのケースでは必要だ、と理解できる。

相談者はどうか?

なにを思っているのだろうか?考えているのだろうか?どうしたいのだろうか?

相談者の本当の想いを引き出せたとしたら、それを解決する手段として親愛信託、そして私たち専門家が受け入れられるのではないでしょうか。

お客さまが抱える悩みに寄り添い、お客さまがそれを解決したいという欲求が出て初めて親愛信託という手段が出てくる。

寄り添っているつもりでも、相談者から見たら寄り添っていないと思われる。

だとすれば、本当の想いは引き出せるのでしょうか。

よくあるのは、一方的に親愛信託のメリット、デメリットをつらつらと説明してしまうやり方。いわゆる説明型営業です。相談者も聞いているようで聞いていません。

自分事で考えられていないからである。

「人は自分の思った通りにしか動かない」

営業とは、お客さま自身が、思い・感じ、考え、行動することを促すことである。

お客さま自身に動機がなければ、動けないのである。

そのためのスキルこそが、「質問型営業®」です。

私も先月に質問型営業®の初心者コンサルを受講しました。

話の聞き方、相槌、共感など、できていると思い込んでいたことが、実際に相手には伝わっていなかったと気づき、改善することができてきました。

ご興味ある方は是非WEB検索してみてください。

一般社団法人よつば民事信託協会大阪 理事 新井勇樹

【信託は心のお守り】

皆さまこんにちは。
沖縄より石原(綾)です。
今回は信託を知っていることのメリットをお伝えしたいと思います。

実務家の立場として言えば、遺言や相続の相談を受けたときに信託という選択も提示できることが、実務家としての信頼度を上げると同時に、相談者にとってよりよい方法を提案できると感じています。
相談に来られる方は、「身内にしか財産を渡せないんでしょう」という前提で来られる方も多いのですが、信託という選択肢を提示することで、「本当はこの人に渡したかったの」という本音を引き出すことができます。そして、一緒に望みをかなえる方法を考えることができます。
また、当事者にとっては「信託を使えば今ある心配ごとを解決できるんだ!」と、お守りのように思えるだけでも、すぐに信託を活用しないとしても、知っているだけで安心されるように思います。

もちろんお客様のお悩みのすべてが信託で解決するわけではありませんが、まだまだ信託の認知度も低く、財産を分けるには所有権を移すしかないと思っている方も多いです。
このような中、知識として「信託」の情報を持っているだけでも、気持ちがすっと軽くなるのではないでしょうか。

一般社団法人よつば親愛信託おきなわ 理事 石原綾華

親愛信託をした時の税金は?

日本の税務は、「受益者負担の原則」がとられており、契約形態などに関わらず、実際に利益を受ける者、すなわち「受益者」に対して課税がされることになっています。

親愛信託においては、最初に設定した段階では、基本的に「委託者=受益者」の状態となりますので、受託者に名義が変更されたとしても、受託者に贈与税や不動産取得税などの税金がかかることはありません。

ただし、不動産の名義をかえるための手続きに必要な登録免許税はかかります。

そして、当初受益者が持っている権利(受益権)が二次受益者に移転したタイミングで移転した事由による課税関係が発生することになります。

すなわち、何が原因で権利が移ったかに応じて税金がかかるのです。

当初受益者が保有する受益権を別の者に贈与した場合は、二次受益者には「贈与税」がかかります。

当初受益者が死亡したことを原因として、二次受益者に受益権が移転した場合は、二次受益者には「相続税」がかかります。

また、親愛信託の設定に伴う受益権は売買することも可能です。

売買したことにより生じた所得には、通常の取引と同様に「所得税」あるいは「法人税」がかかることになります。

先にも述べましたが、信託による課税は「受益者負担の原則」がとられていますので、親愛信託における受託者が、受益者にならなければ課税の負担はありません。

しかし、受託者は権利の名義人となるので、納税義務者となります。

たとえば、信託財産となっている不動産に対する固定資産税については、納税義務者となり、請求は受託者宛てに来ます。ただし、自宅者が自分の財産から支払う必要はなく、実際に負担すべきは受益者となりますので、通常は信託財産から支払いをします。

受託者個人が自分のお金で支払いをした場合は、受託者は受益者に対して納税した金額をそのまま請求することになります。

一般社団法人親愛信託東京 代表理事 
髙橋志乃

認知症になると財産が凍結!?

財産は、持ち主の意思で自由にできるのが大原則です。

極端なことを言えば、壊すことだってできます。

しかし、財産の持ち主が認知症などで判断ができなくなると、自由に処分等ができなくなります。

また判断が全くできない訳ではなくても判断力が下がってしまうと、だまされやすくなったり、通常の判断力があれば買わなかったものを買ってしまったり、処分してしまったり(お金を使い過ぎたり)する危険性があります。

そのような方を保護するために、判断力がない人(意思能力を有しない常況にある者)の契約などは、原則無効とするように民法で決まっています。

具体的には、銀行の預金がおろせない、所有しているものを処分できない、不動産を売りたくても売買契約ができない、名義変更の手続きが出来ないということになります。

財産を使うことも動かすこともできなくなるので、このような状態のことを財産が凍結すると言います。

認知症等になる前に、凍結すると困るような財産を信託しておくと、その「信託財産」は「受益者」の名義となり、売却処分、管理(修繕等)などを信託契約で決められた権限に従って、受託者ができることになります。

金銭については、「信託口口座」と呼ばれる口座で受託者が分別管理し、もともとの財産の持ち主(委託者)は権利を自分のものとして持ち続ける受益者となります。

もっとわかりやすくいうと、信託すると元々財産をもっていた人(委託者)とは別に、預金をおろす人・財産を処分したり手続きしたりする人(受託者)を決めておくことができるので、財産凍結のような問題が解決されるのです。

一般社団法人親愛信託東京 代表理事 
髙橋志乃

生命保険信託って何?

親愛信託では、信頼できる人に財産を託すのに対し、生命保険信託は信託会社等に保険金請求権(金銭債権)を信託して、財産の管理等を任せる商事信託の仕組みです。

生命保険信託とは、生命保険と信託の機能を兼ね備えています。

例えば、受益者となる子どもに浪費癖があり、死亡保険金を一括で受け取ることが心配な場合には、あらかじめ「毎月、20万円を口座に振り込む」と決めておけば、受託者である信託銀行等がそのとおりにしてくれます。

また、子どもの年齢等を考慮して、一定年齢ごとに渡す保険金の額を変動させることも可能です。

信託会社等が管理をするため、正当な理由がない限りは、仮に受益者となる子どもからの申出があったとしてもまとまったお金を渡せないようにすることも可能です。

保険金をのこす側、保険金を受け取る側の両方が安心できるように作られた仕組みが生命保険信託なのです。

生命保険信託は保険なので、保険に入る必要があります。

また金銭のみの対策になり、親愛信託のように不動産やそのほかの財産管理はできません。

親愛信託は、自己信託を除き、信頼できる人(受託者となる人)が周りにいないと利用ができません。

生命保険信託では、信託会社等が受託者となるため、信頼できる人が周りにいない場合にも活用が可能です。

一般社団法人親愛信託東京 代表理事 
髙橋志乃

実家を信託したら?

実家を信託すると、どのような効果があると思いますか?

たとえば、親は田舎の実家に住んでおり、子供は都会で生活をしていて、実家を引き継ぐ家族がいない場合、その家は将来的に空き家となり、自分たちだけでなく社会的な大きな問題になってしまいます。

万が一、実家の持ち主である親が倒れたり、認知症になってしまうと、実家を賃貸等で活用したり、実家を売却したりして、施設に入所するための費用に充てたくても、賃貸や売却のための契約行為が出来ない状態になるのです。

そのような場合に、実家を売却するためには、家庭裁判所に申し立てして、認知症になった親の代理人を務めさせるための法定後見人を選任してもらわなくてはなりません。

さらに居住用不動産の売却は家庭裁判所の許可が必要になり、賃貸する場合も同様の許可が必要になるのです。(ハードルが高すぎる!)

そして、親族が法定後見人になれるように改善されて来てはいますが、必ずなれるとは限らず、親族がなれなければ、弁護士や司法書士、行政書士などの専門家が選任されることになります。

そうなると親が亡くなるまで定期的に報酬を支払い続け、親の財産を法定後見人が管理することとなるのです。

かなり前置きが長くなってしまいましたが・・・

認知症になる前に実家の所有者である親が、実家を信託することで、親が認知症になってしまっても、受託者が実家を売却したり、賃貸したりすることが可能になります!

つまり、信託した実家の名義は、受託者に変わりますので、信託契約で決められた権限に従って、売却、管理、修繕等を受託者が行うことが可能になるのです。

そして、もちろん実家の売却代金は受益者である親の介護費用に充てることができます!

また、実家を信託した場合の受益者である親が死亡した場合も次の受益者を定めておくことで、実家に関しては、遺言書の確認や遺言書がなければ遺産分割協議の作成などの相続の手続きの必要はなく、信託契約で指定された人に引き継ぐことができます。 このように、実家を信託する効果は絶大なのです!

一般社団法人親愛信託東京 代表理事 
髙橋志乃

信託財産は、相続にならない?

民法では本人が亡くなれば相続が自動的に開始しますが、信託法では受益者が死亡したとしても信託財産は相続にはならず、また信託の終了事由に該当した時にしか信託は終わりません。

そもそも民法と信託法とは全く違う法律です。

  • 民法第882条には「相続は、死亡によって開始する。」とあります。

死亡した人(被相続人)の財産を他の人(相続人)に包括的に承継するものです。承継する財産のことを「相続財産」と言います。

  • 信託法においては、委託者、受託者、受益者が死亡したとしても相続は開始しません。

受益者の承継すべき財産を「受益権」といい、これは「相続財産」に含まれず(ただし、みなし相続財産として相続税の対象にはなります。←ここがややこしいですね。)、相続ではなく別のルート=信託行為で定めた方法に従って、承継されていきます。

たとえば、相続と違い、二次受益者は内縁の妻を指定、三次受益者はお孫さんを指定、四次受益者はお世話になった高齢者施設を指定など、自由に「受益権」の行く末を決めることができるのです。

では、遺言と親愛信託契約で同じ財産に対して異なる受取先を指定した場合、どちらが優先されると思いますか?

優先されるのは、遺言ではなく、すでに効力が発生している親愛信託契約になります。

信託契約を結んで効力が発生した時点で、その財産の名義は受託者へと移っているからです。

遺言はあくまで自分が所有している財産を、自分が亡くなった後に誰に・どのように・渡すかを定めるものです。

信託契約を結び財産を受託者に信託した時点で、法的にはその財産は自分の所有財産ではなくなるので、遺言はその財産については効力を持たないことになります。

一般社団法人親愛信託東京 代表理事 
髙橋志乃

障がいを持っている子の「親亡きあと問題」対策

障がいのある子どもがいる場合、親である自分たちに万が一のことがあった場合に、その子どもの生活がどうなるか大変心配になるものです。

自分たちが元気なうちは自分でサポートすれば良いですが、自分たちがいなくなったときにサポートしてくれる人や生活費を残してしておきたいところですよね。

従来の制度では十分な対応が難しい「親亡きあと問題」も、親愛信託を利用すれば解決しやすくなります。

たとえば、夫に先立たれたAさんには、成人している長女と次女がいるとします。長女は障がい者で自立ができず、Aさんが現在までずっと面倒をみています。

その場合、次のような信託契約を結ぶことで、親亡きあとの長女の将来に安心感を得られるようになります。

・委託者 → Aさん

・受託者 → 次女

・当初受益者 → Aさん

・二次受益者 → 長女

Aさんは、次女を受託者として信託を設定します。Aさんが亡くなった後は、長女の生活に必要な資金については、受託者である次女から長女に毎月少しずつ給付するよう信託契約を結びます。

親愛信託を活用するメリットは、

  • 生前から財産管理を任せることができる

親愛信託は、委託者と受託者の契約で始められます。遺言のように亡くなってから効力が生じるわけではなく、生前から財産管理を信頼できる人に任せることができるのです。

上記の事例では、親愛信託を活用することにより、親は元気なうちから次女に財産管理を任せることができます。親が将来認知症になった場合にも、適切な財産管理が行われるため、長女が生活に困ることはなくなります。

  • 生活費等を定期的に給付することができる

親愛信託では、信託財産の使いみちについて信託契約で細かく決めることができます。

障がいのある長女のために残した財産を一度に受け取るのではなく、信託契約にもとづき次女から定期的に給付する形にできるので、適切な財産管理が可能になります。

  • 監督・監視のための第三者を置くこともできる

次女に受託者を引き受けてもらえたが、信託契約の内容通りに管理・運用されるか、不安に思うこともあるかもしれません。

その場合は、信託がきちんと行われているかを監督するための信託監督人を置くことができます。

また、受益者自身が権利行使をすることが難しい場合などには、受益者代理人を選任することも可能です。受益者代理人を置くことで、長女の権利を確実に守ることができます。

障がいのある子供の将来により安心感を得るためには、必要に応じて成年後見も併用するとよいでしょう。

長女が軽度の障がいで判断能力に問題がなければ、長女と任意後見人が契約することで、

親愛信託の受託者には任せることができない任意後見人が長女の身上監護(身の回りの事務手続き)を行うことができます。

万が一、長女に重度の障がいがあり、判断能力に問題がある場合は、法定後見を利用することとなり、後見人報酬が発生しますが、身上監護だけでなく、信託財産の中から長女に給付した金銭を管理してもらうことが可能です。

信託財産の管理については受託者が行い、身上監護については後見人が行うことで、より充実したサポート体制をとることが可能になるのです。

一般社団法人親愛信託東京 代表理事 
髙橋志乃

信託できる財産とできない財産について

親愛信託では、財産的価値があるもの(金銭的価値に置き換えることが可能なもの)であれば、ほとんどのものが信託できます。

具体的には、次のような財産が親愛信託の対象です。

・金銭

・土地や建物などの不動産(自宅・収益マンション・駐車場など)

・動産(絵画、自動車、骨董品、インテリア、ペットなど)

・借りている土地の借地権という権利など

・特許権、商標権、著作権などの知的所有権

・株式会社の株式(自社株)や合同会社などの持ち分権

・国債などの有価証券

親愛信託できない財産は次のようなものです。

・借金などの債務(お金を貸している人の財産なので、自分の財産ではない)

・扶養義務や身上監護権(財産ではないから)

・生命保険の死亡保険金(受取人のものだから)

・金融機関に預けている預貯金通帳(譲渡禁止債権だから)

 (預金自体は信託できませんがおろすと金銭なので信託できます)

現状では信託するのが難しい財産もあります。

上場株式などの有価証券と農地です。 これらは、他の法律(農地法)との関係や取り扱うところ(金融機関や証券会社)の独自の判断があるため、現時点では難しいと考えた方が良いです。

一般社団法人親愛信託東京 代表理事 
髙橋志乃