健康寿命と親愛信託

先日、厚生労働省が発表した『令和3年簡易生命表の概要(R4.7.29厚生労働省)』によると平均寿命が、男性81.47歳、女性87.57歳となり平均寿命(2021)と健康寿命(2019)との差は、男性8.79年、女性12.19年となっています。一方、健康寿命は、2019年時点で男性72.68歳、女性75.38歳となり下記の図表は2016年のデータですが、この健康寿命をいかに伸ばすかが大きな課題になっております。

              (図-1厚生労働省平均寿命と健康寿命e-ヘルスネット引用)

それでは、平均寿命と健康寿命を見てみましょう。

2016年における我が国の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳であり、健康寿命とはそれぞれ約9年、約12年の差があります。平均寿命とは「0歳における平均余命」のことで、一方、健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこといい、平均寿命と健康寿命の差は日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味し、その期間は、2016年では男性8.84年、女性12.35年となっています。

又、厚生労働省第23回生命表(完全生命表)の概要によれば、死亡最多年齢は、男性88歳、女性93歳で、死亡最多年齢とは、10万人の出生者が生命表上の年齢別死亡率に従って死亡していくとした場合の死亡数をみた場合に第23回生命表において、男性88歳、女性93歳でピークを迎えた後、死亡年齢は急激に減少しているとしています。

又、寿命中位数(出生者の半数が生存すると期待される年数)は、第23回生命表において、男性84.51歳、女性90.55歳である。(厚労省第23回生命表(完全生命表)の概要より抜粋)

下記の図は、2016年時の平均寿命と健康寿命の男女別年齢差を表した図である。(図-2(厚労省e-ヘルスネットより))

(図-2厚生労働省平均寿命と健康寿命e-ヘルスネット引用)

それでは、男女別に90歳を迎える者の割合を見てみると2021年度集計で、男性の28.1%女性でなんと52.6%が90歳を迎えることができています。(図-3)男性の4人に1、女性の2人に1人が90歳を迎えることができていますが、95歳となると男性10.1%女性27.1%と急激に下がることがわかります。

平均寿命が延伸したことにより、生命表上の特定の年齢まで生存する割合も年々上がっています。

(図-3厚生労働省令和3年簡易生命表の概要より作成)

このように、男性の3割近く、女性の過半数以上の方が90歳まで生存する状況であり、いかに健康年齢を延ばすことが重要であることがわかります。

そして、相続対策として多くの方が遺言書を書いたから安心と考えがちですが、遺言書は、あくまでご本人が死亡された後の対策でありご本人が生存されているときの効力はありません。

その点において、親愛信託をはじめとする信託を活用することによりご本人が生存している期間の介護費用やご本人の財産をご本人の健康寿命を延伸するために使用することができる親愛信託が今後益々重要になっていくものと考えます。

本人死亡後の二代、三代先と連続した信託財産の管理運用処分も可能となりますし、生前のご自身の健康寿命延伸のための身体的、精神的健康を維持する費用から死亡後に至るまで効力のある親愛信託契約を組成し、家族に限定せず、信じて託す信託制度を普及するために日々普及活動を推進致したいと考えます。

一般社団法人親愛信託東京 理事 髙橋恒夫

あとの祭り

テレビ番組等で相続にからむ問題を取り上げるようになって久しいが、いまだに問題が起こってから相談に来られる方が結構います。

事前に手を打っておけば・・・相談に来られた時は手遅れ。あとの祭り。

ほとんどの方が口をそろえて言うのが、

「こんなことになるとは思わなかった」

家族が仲がいいから、長男を信じて任せてあるから、自分なりに対策をしていたんだけど、というのが大体の理由。

家族が仲がいいというのが一番あてにならくて、親が生きている間は親が重しになってそれぞれが気を使ったり、体裁をかんがえたりで本音を言っていない場合が多いけど、親という重しがなくなったとたんにそれぞれが勝手なことを言い出すようになる。

事前に相続について家族で相談しておけば、それぞれがどのように考えているのか、少なくとも揉め事になりそうかぐらいは感じ取ることができると思う。

長男に・・・、自分で・・・、というのも同じで、事前にちゃんとした対策を考えることができていれば「こんなことになるとは思わなかった」という結果になることをかなりの確率で防ぐことができる。

そんな時に専門家を交えて相談をしてみるというのが一番有効な方法だが、具体的に何を頼んだらいいのか、どこに相談したらいいかわからないという人がほとんどでしょう。

もちろん、当事者がそこまで意識していないというのが大きな理由でもあるが、専門家がいろんな対策を知っていながらこっちから積極的に接点を持とうとしないというのも大きな理由の一つではないだろうか(自らの反省もある)。

相続・財産の承継についてとり得る対策、何もしなかった時、不十分だった時のリスク、そういいことの啓蒙をもっとしていくべきだなと思う。

せめて定期的なセミナーぐらいは開催すること、これぐらいのことしか思いつかない自分が情けないですが。

一般社団法人親愛信託名古屋 理事 相馬保宏

親愛信託 よ・つ・ば ブログ

 昨年、信託の実務に触れることが出来たのは、よ・つ・ば高知で受任した

1件の案件でした。それが、令和4年に入ってからは5件、信託の相談に関

わることができ、うち1件ではありますが、受任をして無事手続き完了まで

至りました。5件という数字が多いのか少ないのか、判断がつきませんが、

昨年よりは確実に市民の方々に信託が浸透しているように伺えます。

そんな中、お客様と面談や電話相談でお話をさせて頂いた際、自分の不甲斐

なさを実感させられます。

 「今の私たちのケースで信託をすることのメリットは何ですか」

という直球の質問に対し、納得して頂ける返答が出来ず不受任となったり、

 「不動産だけ信託するから、信託口口座は作らないで出来ないか」

という質問に対しても、うまく説明することが出来ませんでした。

せっかく信託の相談が増えているのに、専門家を名乗る自分がその状況に対

応出来ないのでは本末転倒なので、もっと知識と経験を積んでおかないと、と

つくづく思い知らされました。

  一般社団法人よ・つ・ば親愛信託こうち 理事 北浜 直樹

近況について

私は脱サラし、社労士・行政書士として開業して今年の4月で5年目に入りました。社労士では厚生労働省の受託事業で企業訪問を年間100件以上こなし、「働き方改革」の推進活動を行ってきました。その都度自己PRも行っていました。もちろん、行政書士としての業務も行えることや、お客様によっては簡単に信託のPRをしました。

 普通に社労士・行政書士として新規訪問しても相手にしてくれないケースが殆どでしたが、厚労省の名前を出すと、ある程度、「じゃあ、話しを聞こうか」となります。

中には後から連絡いただける事業所様があり、個別に就業規則や雇用調整助成金申請、労働相談、許認可の仕事につながりました。最近少しずつではありますが仕事が充実してきました。

 6月から7月前半にかけて富山労働局の「労働保険年度更新」の相談員で9日間こなしました。これも、自分が仕事を覚えるだけでなく、相談者と顔なじみになれ、行政の担当者とも仲良くなれる機会です。今年は雇用保険料がアップし、説明に一手間かかりましたが。

 しかし、社労士にしても行政書士にしても取り扱った事が無い業務が多く、始めての仕事に試行錯誤することも多いです。自分の経営基盤もまだまだ脆弱であります。1年1年が勝負に変わりありません。民事信託も実際に案件化できていませんが、前向きに頑張っていき、いつかは脱サラの充実感を味わいたいと思っています。

一般社団法人よつば民事信託とやま  理事  白井 篤