親愛信託を利用する当事者になって思うこと

現在、親戚で共有している不動産が2軒あります。

祖父の名義だった物を、自分の親の代で相続したときに、兄弟で共同管理をするということで共有名義にして、親の兄弟の相続でそのまま自分たちの代(従兄妹)に共有という形で引き継がれています。

皆で利用していきたいということに変わりはないので、共同で管理をしているのですが、

共有不動産の管理について、大きな修繕、賃貸、収益化など、共有者の同意が必要であるという共有であるが故のデメリットを感じています。

さらにその先になって行けば、登場人物が増え関係も希薄になり、今以上に意思の統一が図りにくくなりますし、関係が希薄になって行けば、次の相続人は誰なのか、誰が管理するのかを把握するのが困難にもなってきます。

相続のたびに面倒な手続きを経なければならず、相続人が決まらなければ、管理にも支障が出ます。

これは遺言書だけでは解決できない問題です。

そこで、このような問題について、親愛信託を軸に解決いていくことを親戚に対して提案しています。

具体的には一般社団法人を設立して受託者にする方法を考えています。

不動産の管理をしていくことが一番の目的なので、存在が安定している(死なない)ことが最重要な条件になると考えているからです。

誰かを受託者にして、受託者の変更についても信託契約書に定めておけば管理を続けていくことは可能ですが、変更の手続きは必ず必要になるので、手続きが完了するまでは管理がストップしてしまうことになります。

このように考えていて、ふと、

自分が親愛信託についての相談を受けて説明をするとき、様々な場面を想定して説明するのですが、説明されている本人はイメージできているのだろうか。じぶんの独演会になっているのではないか。と思いました。

親愛信託にする目的は何なのか。意外とシンプルなのでは?

もちろん、トラブルを回避するために場面を想定して考えるのは大切なことですが、現実に起こり得ることかどうか机上の話ではないかの検討も必要なのではないでしょうか。

専門家が陥りやすい沼です。

一般社団法人親愛信託名古屋  相馬 保宏

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