今年の春、お客様から遺言書についてご相談を受けました。
相談者であるご主人が、自分が亡くなった後、残された奥様が
相続手続きをする際、出来る限り簡単に済ませられるようにし
ておきたい、という内容でした。預貯金については、将来的に
口座を1つにまとめておく、として、ご自宅である土地と建物
はどうすれば良いか、と悩んでいました。
そこで私は、親愛信託のことを話してみました。土地、建物を
信託財産にしておくことで、相続時の名義変更などを省くこと
が出来ること、火災保険や電気、ガス、水道などの名義も生前
のうちに奥様に変更しておけば、より簡潔になることを説明さ
せて頂きました。ご主人はすぐに乗り気になって下さり、親愛
信託をすることになりました。契約書を作成するために、何度
も対話をさせて頂き、その度に次々と質問を投げかけられまし
た。この条項に書かれていることはどういう意味か、この条項
の内容は必要なのか、私の思いはこうだが、それが書かれてい
ないようだがどうしてか、などなど。私も慣れてきて、質問さ
れるであろう部分を先回りして読み込み、条文を確認し、よつ
ばの条文解釈を読み、質問に答え続けました。契約書の原案が
出来上がるころに、今度はタイムチャートを作ってほしいと、
お願いされました。私は、関係者のお亡くなりになる順番が起
こり得るパターンを全てタイムチャートにして、1つ1つに契
約書の条項を付けてお渡ししました。
こうして契約書が完成し、公正証書、登記、口座開設と手続き
が完了した時には、ご主人にとても感謝して頂きました。
私のほうも、質問に答えるために必死に勉強したことで、信託
の理解が深まったようで、ご主人にとても感謝しています。
一般社団法人よ・つ・ば親愛信託こうち 理事 北濵 直樹