~信託法条文~ 第25条/第26条 よ・つ・ば的解説付

(信託財産と受託者の破産手続等との関係等) 重要度2

第25条 受託者が破産手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、破産財団に属しない。

信託財産の独立性を示している。

 前項の場合には、受益債権は、破産債権とならない。信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。

  受益債権が全て信託財産責任負担債務であり、他の債権とは性格が異なることを示している。

 第1項の場合には、破産法第252条第1項の免責許可の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。

 受託者が再生手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、再生債務者財産に属しない。

 前項の場合には、受益債権は、再生債権とならない。信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。

 第4項の場合には、再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第235条第1項の免責の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責又は変更は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。

 前三項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。この場合において、第4項中「再生債務者財産」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第2条第14項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第14項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、第5項中「再生債権」とあるのは「更生債権又は更生担保権」と、前項中「再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第235条第1項の免責の決定」とあるのは「更生計画又は更生計画認可の決定」と読み替えるものとする。

破産ばかりでなく、民事再生や会社更生の場合でも信託財産の独立性が守られることになっている。

第三章 受託者等

第一節 受託者の権限

(受託者の権限の範囲) 重要度4

第26条 受託者は、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をする権限を有する。ただし、信託行為によりその権限に制限を加えることを妨げない。

受託者の権限について、信託目的に沿った内容であることを求めながらも、信託行為によって制限を加えることも可能であることを示しているが、逆に読むと受託者の権限を「信託の目的の達成のために必要な行為」を超えて「無制限」とすることはできないということになることから、受託者のみの判断による信託財産に関係のない借入行為などは不可能であると考えられる。

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