信託制度と後見制度の違い

たまに信託契約と任意後見契約を同一視して
「信託をしたら後見人がいらない」という人がいます。

信託制度と後見制度は役割が違います。
棲み分けをして両方の制度を利用する事は可能です。

一般的に後見制度というのは「人」につくもので、
その人に対して代理をする事ができる制度です。

信託というのは「物」につくもので、
受託者というのは信託財産になっている物に対して権限をもつ制度になる訳です。

実は全く役割が違うので、信託したら後見人がいらない訳ではないのですね。

また、留意しなければいけないのは、
信託財産になっているものは後見人の管理下には及ばない事です。

その性質を利用して、持っている財産の中で一部を信託財産にして外しておいて、
残りは後見人に管理してもらう事も可能です。

このように信託契約制度と後見人契約制度の2つ制度を利用して
非常に柔軟な対策をする事が、実は肝要な話になってくるのです。

よつば民事信託とやま
代表理事 山本和博

認知症と不動産売却

 こんにちは!よつば民事信託とやまの布村です。

私は、不動産と建築業を営んでいます。

昨年より土地や住宅の売却のご相談を受けるほとんどが、お父さんの土地、おじいちゃんの住んでいた

家などです。

相談にいらっしゃるご家族が、50代~。当然お父さんは70歳を超えていらっしゃいます。

そんなご相談で、まず始めにおうかがいするのが、「お父さんお元気ですか?」です。

実はこの言葉には、沢山聞きたいことが詰まっていて

「お父さんお元気ですか?」「ご病気なさっていませんか?」そして肝心の「頭、ハッキリしていらっしゃいますか?」です。

家や土地などの不動産って、お父さんにとっての重要な財産なので、所有者であるお父さんが、

「売る」という事をちゃんとわかって、「売りますよ。」と意思表示が出来ないと売れないんです。

とお話しすると、ほとんどの方が、えっ!?と言う顔をされます。

そうです。所有者が認知症だと、その方の名義の不動産は、売買できないんです。

私たちにとっては、基本の事ですが、一般の方は、まだまだご存知ない方が多いです。

そして、民事信託=親愛信託も同じで、まだまだご存知ない方がほとんどです。

これからも益々増えると思われる相続不動産の売却相談。

残念ながら今は、売却できません。と言う事が増えると思います。

様々な理由で、売却したい、お金に換えたいと言う時にできないと、ご家族にとって大きな大きな負担になることがあります。

そうならないための1つの解決方法が「信託」です。

先ずは皆さん、お父さんが認知症になると、お父さんの名義の土地や家は、売れなくなるということを

知ってください。そして転ばぬ先の杖として信託という制度があることを知ってください。

詳しくは、お気軽にお問い合わせください。


よつば民事信託とやま 理事 布村 之宏

成年後見人をしていて思うこと

 私は社会貢献の一環として成年後見人をさせて頂いたいます。
 成年後見人をしていると「民事信託組んでおけば解決できるのに」というシュチュエーションに身をもって遭遇します。
 
 一番困るのは認知症が進行すると、あらゆる財産上の手続ができなくなる事です。 
 身近なところで言えばお金をおろせなくなることでしょう。
 「家族さえも」おろせなくなってしまいます。
 
 そうのなると裁判所に後見人開始を申立てという面倒な手続き経て、やっとお金をおろせる事ができるという流れになります。

 もっと早く被後見人の方にお会いできていれば「信託契約のご提案をできたの」にと思うと同時に、そうならない為にも元気なうちに信頼できる人に財産を託す「信託契約」を組んでいく事が解決策としては肝要かと思う次第です。

 よつば民事信託とやま
 代表理事 山本 和博