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よくある誤解5選 ― 親愛信託(家族信託)の真実

◇なんとなく知っているでは危険です!― 制度を正しく理解しないと“思わぬ落とし穴”になることも ―

近年、「親愛信託(家族信託)」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
相続対策や認知症対策として注目される一方で、制度の理解が曖昧なまま検討されているケースも少なくありません。

実は、親愛信託(家族信託)にはよくある誤解が存在し、それが原因で「思っていた効果が得られない」「そもそも使うべきでなかった」といった事態になることもあります。

実務の現場でよく見られる誤解を整理してみたいと思います。

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誤解①: 親愛信託(家族信託)は節税対策になる

    

原則として節税効果はありません!

まず最初に、税理士としてお伝えしたいのは、親愛信託(家族信託)はあくまで「資産の管理・承継の仕組み」であり、税金を減らす制度ではないということです。

信託を設定しても、所得税、相続税、贈与税といった課税関係は、基本的に信託契約をしない場合と大きく変わりません。

もちろん設計次第で間接的な影響が出ることはありますが、節税目的で親愛信託(家族信託)を使うという発想は非常に危険です。

親愛信託(家族信託)の本質は、万一所有者ご本人の判断能力が低下しても、「財産を止めることなく、継続的に運用・管理できること」にあるとご理解ください。


誤解②: 遺言があれば親愛信託(家族信託)は不要

遺言と親愛信託(家族信託)は役割がまったく異なります

遺言は「亡くなった後の財産の分け方」を決めるものです。
一方で親愛信託(家族信託)は、“生前から亡くなるまで”の資産管理を設計する仕組みです。

たとえば、

  • 認知症になった場合の資産管理
  • 不動産の売却や運用判断
  • 賃貸経営の継続

これらは遺言では対応できません。

遺言=ゴールの設計
親愛信託(家族信託)=プロセスの設計

この違いを理解し、使い分けて対応することが重要です。


誤解③: 成年後見制度の代わりになる

信託は万能ではなく、目的によって使い分けが必要です

親愛信託(家族信託)は認知症対策として有効ですが、成年後見制度の代替手段ではありません。

たとえば、

  • 身上監護(介護施設の契約や不利益契約の解除など)
  • 医療・生活に関する判断

これらは親愛信託(家族信託)では対応できず、後見制度が必要となる場合があります。

親愛信託(家族信託)は「財産管理」
後見制度は「生活・法律行為の保護」

両者は補完関係にありますので、使い分けることで重層的に老後の安心を得られます。

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誤解④: 信託契約をしておくと家族なら財産を自由に使える

厳格なルールに基づいて運用されます

「家族に任せれば自由にできる」と思われがちですが、親愛信託(家族信託)では、信託契約に基づく厳格な管理義務が課されます。

受託者(財産を管理する人)は、

  • 自己の利益のために使用することの禁止
  • 受益者の利益のために行動する義務
  • 分別管理(自分の財産と分けて管理)

などの責任と義務を負います。

親愛信託(家族信託)は、財産を自由に使えるのではなく、「責任をもって管理する」制度です。


誤解⑤: 誰でも簡単にできる

設計次第で効果が大きく変わります

親愛信託(家族信託)は、契約書を作ればよいという単純なものではありません。

特に重要なのは以下の内容です。

  • 誰にどの権限を持たせるか
  • 不動産・金融資産の扱い
  • 将来の承継(受益者連続など)の設計
  • 税務との整合性

設計を誤ると、使いづらい信託契約になったり、かえってトラブルの原因になることもあります。

親愛信託(家族信託)は、制度ありきではなく、「設計」がすべてと言える制度です。


まとめ: 親愛信託(家族信託)は「魔法の制度」ではない

親愛信託(家族信託)は非常に有効な仕組みですが、すべての課題を解決する万能ツールではありません。

重要なのは、

何を解決したいのか
どの制度が最適か
誰がどの役割を担うのか

を明確にしたうえで設計することです。


最後に: こんな方は一度信託制度の利用をご検討ください

  • 賃貸不動産を所有している方
  • 将来の認知症リスクに備えたい方
  • 自分が亡くなった後の財産管理で家族に負担をかけたくない方

これらに当てはまる場合、親愛信託(家族信託)は有力な選択肢となります。

お困りのときは、ぜひお近くのよつばグループへご相談ください。

よつばグループのロゴ

令和8年5月15日
一般社団法人 京都民事信託協会
代表理事 北條 達人

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北條 達人


■ 保有資格

税理士


■ 得意分野

相続、不動産、経営相談