親なきあとへの備えも大事だが親の終活問題も考えよう

先日、親なきあとの備えについて障がい者の家族の支援や情報提供を行なっている方のセミナーを受講しました。

その方は二人の知的障がい者のお母さんでした。自身の経験から同じように「親なきあと」の心配をしている方が大勢いることを知り、講演活動等を通じて、将来に備えることの重要性を訴えているそうです。

彼女は、「親なき」という言葉は「親亡き」だけではなく親が生きているときのことも考えていかないといけない。だから「親なき」だとおっしゃっていました。確かにそのとおりです。

知的障がい者をお持ちの親は自分達が亡くなったあとのことを考えています。

しかし、親である自分達が認知症等になった場合等自分達のことも考えておかないといけません。

■親の死亡後について

・障がいのある子にどの財産をどう残すのか?

・障がい者本人は財産管理ができないので、誰に管理してもらうか?

・障がい者が亡くなった後の財産の承継をどうするのか?

・障がい者の葬送(葬儀・墓地・法要等)はどうするのか?

等を考えておく必要があります。

■親自身の終活について

・自分が認知症等になった場合の財産管理はどうするのか?

・自分達の面倒は誰にしてもらうのか?

・子ども達の面倒を誰にしてもらうのか?

・相続はどうするのか?

・葬送(葬儀・墓地・法要等)はどうするのか?

等を考えておく必要があります。

まずは家族でどうしたいのかを考えましょう。

そして、それをどのように実行していけるのかを様々な法律・制度を活用して実行できるように検討して行きましょう。

・親愛信託(家族信託)

・成年後見制度

・遺言

・日常生活自立支援制度

等どの方法がよいかを検討し、実行して行きましょう。

親愛信託は、

・親自身が認知症になった場合に財産(受益権)管理ができます

・親が亡くなった後に障がい者に財産(受益権)を承継できます

・障がい者の財産(受益権)の管理もできます。

・障がい者が亡くなった後に他の方へ財産(受益権)を承継できます

等とても有効な手段だと思います。

ただ、実際に活用するにあたっては、いろいろなシチュエーションや他の制度との併用も考えながら進めて行きます。

親が元気な今のうちに検討をしていただきたいです。

一般社団法人よつば親愛信託大分 理事 阿部豊志

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