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親愛信託®(家族信託・民事信託)Q&A

助け合いの親愛信託

最近は一般の方にも信託の認知度が広がってきて、こちらから提案する前から「家族信託について話を聞きたい」と相談される事も多くなってきました。

着実にここ数年で信託の認知度は上がっていて、むしろお応えする私たち専門職の方が、まだ受け皿が十分とはいえない実感です。

信託の仕組みどころか名称さえ知られていなかった数年前からすると、状況は確実に変わってきています。

まずは信託の存在を知ってもらう事を念頭に様々にやってきたよ・つ・ばの取り組みも、そろそろ次のステージに入りかけているのかもしれません。

以前、そのようなご依頼者の一人に、どこで家族信託の事を知ったのか聞いてみたところ、契約している保険会社の担当者に教えてもらったという事がありました。

保険も信託も、人生のリスクに備える仕組みとしては趣旨を同じくしていて、制度設計にも似ている点が多く見られます。

それは基礎となる考え方が互いに共通しているからで、どちらも相互扶助の精神に基づいています。

例えば、保険における契約者と被保険者の関係は、信託における委託者と受益者の関係になぞらえる事ができますが、それも両者の根幹が同じだからです。

実際、信託を組成する際も保険がその一環として組み込まれる事がありますが、前線の保険外交の人たちはそれらの事を良くわかっていて、むしろ法律専門職としての私たちよりも説得力をもって、一般の方に信託を広げてくれています。

人生におけるリスクは、無くす事はできません。

火事が起こるかもしれない、地震に遭うかもしれない。認知症になるかもしれない、心身が衰えて自分の事も自分でできなくなるかもしれない。

こういったリスクは誰にでも起こりうる事で、しかし一人で対処するには限界があります。

そこで、保険や信託といった仕組みを通じてみんなで協力し、リスクを分散する事で、私たちはこれまで生きてきました。

人がネットワークを作って生きる目的もまさにそこにあります。

単独ではつぶれてしまうような衝撃でも、大勢で張ったネットの中心で衝撃を「ぼわん」と受けとめれば、誰も大きなケガをせずに済みます。

信託には委託者受託者の他、代理人、監督人その他様々な人がそれぞれの立場で関わりますが、私たち専門職も登場人物の一人として、誰かの人生を手助けするネットワークの中にいます。

紀元前のはるかな昔から人は様々な仕組みを作って助け合って生きてきましたが、私たちの“親愛信託”も、そのような助け合いのやさしい心を実現する方法の一つです。

一般社団法人よ・つ・ば民事信託北海道
理事 服部剛幸