実家を信託したら?
実家を信託すると、どのような効果があると思いますか?
たとえば、親は田舎の実家に住んでおり、子供は都会で生活をしていて、実家を引き継ぐ家族がいない場合、その家は将来的に空き家となり、自分たちだけでなく社会的な大きな問題になってしまいます。
万が一、実家の持ち主である親が倒れたり、認知症になってしまうと、実家を賃貸等で活用したり、実家を売却したりして、施設に入所するための費用に充てたくても、賃貸や売却のための契約行為が出来ない状態になるのです。
そのような場合に、実家を売却するためには、家庭裁判所に申し立てして、認知症になった親の代理人を務めさせるための法定後見人を選任してもらわなくてはなりません。
さらに居住用不動産の売却は家庭裁判所の許可が必要になり、賃貸する場合も同様の許可が必要になるのです。(ハードルが高すぎる!)
そして、親族が法定後見人になれるように改善されて来てはいますが、必ずなれるとは限らず、親族がなれなければ、弁護士や司法書士、行政書士などの専門家が選任されることになります。
そうなると親が亡くなるまで定期的に報酬を支払い続け、親の財産を法定後見人が管理することとなるのです。
かなり前置きが長くなってしまいましたが・・・
認知症になる前に実家の所有者である親が、実家を信託することで、親が認知症になってしまっても、受託者が実家を売却したり、賃貸したりすることが可能になります!
つまり、信託した実家の名義は、受託者に変わりますので、信託契約で決められた権限に従って、売却、管理、修繕等を受託者が行うことが可能になるのです。
そして、もちろん実家の売却代金は受益者である親の介護費用に充てることができます!
また、実家を信託した場合の受益者である親が死亡した場合も次の受益者を定めておくことで、実家に関しては、遺言書の確認や遺言書がなければ遺産分割協議の作成などの相続の手続きの必要はなく、信託契約で指定された人に引き継ぐことができます。 このように、実家を信託する効果は絶大なのです!
一般社団法人親愛信託東京 代表理事
髙橋志乃