最近の事例「なぜ?信託しなかったの?」「いとこ同士の相続?」
被相続人:いとこ(女性70代) (以下亡いとこAと言う)
相続人?(相続したい方):いとこ(男性50代)(以下いとこB
と言う)
■相談の内容
富山県外にお住まいの方からの相談。
いとこさんがお亡くなりになった。
子供も親も,叔父・叔母もいない。
いるのはいとこの私だけです。
葬式、空き家の管理はしていますが・・相続権がないと聞きました。
財産は空き家と預貯金、投資信託です。
空き家を放置するのではなく、なんとか処分をし、どちらかと言うと金銭が欲しいと言うよりも、地域の方に迷惑をかけたくないと言うのが思いです。
前田の事はお隣さんから聞きました。「売れない空き家を丁寧に処分していただいた。」それで突然お電話した次第です。
よろしくお願いします。
■問題解決
★いとこには相続権がない。したがって相続財産は国庫に帰属する事になります。
相続するためには、家庭裁判所に相続財産管理人専任の申し立てをする。
そして、管理人が決まれば、私が特別縁故者であるという申し立てをし、審判が下れば初めて相続人となる。
★まず、戸籍集め。本籍が北海道。消息がわからない方がいる。
相続人がいるかどうかの調査をする。
★戸籍がそろう。
相続人無し。
来週、弁護士に相続財産管理人の申し立てをお願いする。
管理人として、身内の(いつも相談・業務依頼する)弁護士を推薦して貰う。(ここがポイント)
■相続人不在で相続財産が宙に浮かない様にするためには?
そうならないためには・・・最低限、遺言書を書く。これだけで相続人が不在と言う事態は回避出来る。
もっと良いのは・・・民事信託を組む。委託者:亡いとこA 受託者:いとこBで信託を組む。
いとこBは葬式手続き、死後事務、身元保証人になっておられた。契約があった訳ではなく、「誰も世話をする人が
いない」ために、民政委員と行政から頼まれて、お世話をした。
だが、お世話をしたにもかかわらず、相続人にはなれない。
★こんな提案をしたかった。
1.財産管理等の委任契約
2.任意後見契約
3.(遺言書作成)
3.信託契約
4.死後事務委任契約
5.(尊厳死宣言)
*特に空き家については信託契約で、いとこBを
受託者として登記しておきたかった。そうすれば、亡いとこA)が病院へ入院された段階で空き家を売却して、売れた
代金を金銭信託して置けば、そのお金で諸々の費用を
賄えた筈です。
■結論。相続人が不在になるケースでの事前手続きが必要です。
そうすれば、後の厄介な手続きをしなくても良くなります。
方法は前記の項目から必要に応じて選ぶ。
★そんな知識が無かったのだと思います。病気でおなくなりと聞きましたがまだ時間はあると思っておられたのでしょう。
★まさかは突然来ます。その日暮らしでは、残された方は迷惑です。認知症になる前に手続きが必要です。
★信託は依頼者を幸せにするために。問題点、不安の解決を
目的に提案します。
★信託ありきででは有りません。信託以外の方法の組み合わせで
問題解決(予防)をするケースもよく有ります。
★相談に乗ります。お気軽にご相談ください。
一般社団法人よつば民事信託とやま 代表理事 前田 敏