親とのコミュニケーション
父親に遺言書を書いてもらおうと思っているのですが、
話しを聞いてもらえますか。
息子さんから相談を受け、私は話しを伺いに行きました。
父親は腕一本で事業を成功させて財を築いた昭和の男性で、
ザ・ガンコな方でした。息子さんが父親の横やりを上手く
受け流して、現況と父親の希望を話してくれました。お話
しを伺ったところ、これは信託を活用した方が良いと思い
息子さんには説明させて頂きましたが、それを父親が理解
してくれるよう話すのは無理です、と言われてしまいまし
た。
この親子の姿を見て、自分と母の事を顧みました。
私の父は20年ほど前に亡くなりましたが、祖父の立ち上げ
た事業を拡大し、母はそれを支え、現在は私の兄が継いでい
ます。母は父から相続した自己名義の不動産を事業に賃貸し、
担保提供もしています。80歳を過ぎてはいますが、頭も体も
しっかりしています。今のうちに信託をしておいたほうが良
い、と思いつつ、もう2年ほど過ぎてしまっています。自分
の親にさえ、どう話したら良いのか悩む事を、何度か会った
だけのお客様にご理解頂くのはとても難しい事です。だから
こそ納得して頂けるよう自身が信託の良さを理解し、お客様
との信頼関係を築いたうえで、親愛信託という、この優れた
手続きを是非活用して頂けるよう、努めていこうと思います。
一般社団法人よ・つ・ば親愛信託こうち 理事 北浜直樹