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財産は、持ち主の意思で自由にできるのが大原則です。
極端なことを言えば、壊すことだってできます。
しかし、財産の持ち主が認知症などで判断ができなくなると、自由に処分等ができなくなります。
また判断が全くできない訳ではなくても判断力が下がってしまうと、だまされやすくなったり、通常の判断力があれば買わなかったものを買ってしまったり、処分してしまったり(お金を使い過ぎたり)する危険性があります。
そのような方を保護するために、判断力がない人(意思能力を有しない常況にある者)の契約などは、原則無効とするように民法で決まっています。
具体的には、銀行の預金がおろせない、所有しているものを処分できない、不動産を売りたくても売買契約ができない、名義変更の手続きが出来ないということになります。
財産を使うことも動かすこともできなくなるので、このような状態のことを財産が凍結すると言います。
認知症等になる前に、凍結すると困るような財産を信託しておくと、その「信託財産」は「受益者」の名義となり、売却処分、管理(修繕等)などを信託契約で決められた権限に従って、受託者ができることになります。
金銭については、「信託口口座」と呼ばれる口座で受託者が分別管理し、もともとの財産の持ち主(委託者)は権利を自分のものとして持ち続ける受益者となります。
もっとわかりやすくいうと、信託すると元々財産をもっていた人(委託者)とは別に、預金をおろす人・財産を処分したり手続きしたりする人(受託者)を決めておくことができるので、財産凍結のような問題が解決されるのです。
一般社団法人親愛信託東京 代表理事
髙橋志乃