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親愛信託をしていたら変わったかも?

公正証書遺言があっても相続トラブルに?――遺留分と親愛信託の活用について考える

最近、実際にあった相続に関するケースをご紹介します。
被相続人であるお父様は、生前に「公正証書遺言」を作成され、亡くなられた後はその遺言書の内容通り、6人姉弟の長男が不動産(主に収益物件)のほとんどを相続し、所有権移転も無事に完了しました。

一見すると「公正証書遺言」があることで、相続手続きがスムーズに進んだように見えます。
しかし、その後、事態は思わぬ方向へと進展しました。

(公正証書遺言についてはコチラ(リンク先:日本公証人連合会HP)

公正証書遺言があっても安心できない?遺留分侵害額請求の調停申し立て

遺言通りに財産を相続した長男に対して、姉妹のうち複数名が「遺留分侵害額請求」の調停を申し立てました。
さらに、姉妹の間でも関係が悪化しており、2人と1人に分かれて、別々に調停申し立てをするという複雑な状況になっています。残りの姉妹2人は「関わりたくない」と静観しているとのことです。

ちなみに、長男とともに調停の相手方となっているお母さまは現在認知症を患っており、成年後見人がついている状態です。

被相続人の「付言事項」に込めた想い

お父様の公正証書遺言には、「付言事項」として、

私の遺言書の内容を理解してもらい、姉弟とも仲良く、訴訟など起こさずに…
という願いが書かれていました。

「付言事項」には法的効力はありませんが、被相続人の最期の想いが込められた大切なメッセージです。
しかしながら、実際にはその想いとは裏腹に、遺留分を巡る争いが生じてしまいました・・・

もし「親愛信託」を知っていれば…?

今回のケースでは、被相続人の財産の多くが収益物件という特徴がありました。
こうした収益性の高い不動産をどのように分けるかは、相続人間のトラブルを引き起こしやすいポイントです。

もし事前に「親愛信託」の制度を活用していれば、相続人全員でしっかり話し合い、納得の上で財産管理や分配について合意することができたかもしれません。
親愛信託は、形式的な遺言とは異なり、信託契約の中で柔軟な設計ができるため、「揉めない相続」に近づける有効な手段です。

まとめ:遺言と信託を使い分けて、円満な相続

公正証書遺言」は確かに非常に信頼性の高い制度ですが、それに納得がいかない相続人がいれば、調停や訴訟を起こすことは法的に可能です。
そのため、遺言を作成する際には、相続人間の関係性や、財産の内容(特に不動産や収益物件)も含めて、慎重な配慮が求められます。


一方で「親愛信託」は、相続人全員の合意形成を重視し、トラブルの回避に大いに役立つ制度です。
相続を「争続」にしないために、早めの対策と家族全体での話し合いが何よりも重要です。 


まずは専門家に早めのご相談を

相続に関するご相談親愛信託の導入をご検討の方は、ぜひお近くのよ・つ・ばグループへお気軽にご相談ください。
あなたの大切な家族と財産を、トラブルから守る第一歩です。

令和7年7月18日
協同組合親愛トラスト
理事 池間健光

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