認知症対策・財産凍結対策
「母の家をどうして良いかわからない」
これは、ある娘さんからのご相談です。
80代のお母様は、一戸建ての家に一人暮らしをされていましたが、認知症の兆しがあり、この度、介護施設へ入所されることになりました。
相談者である娘さんは、お母様のすぐ隣に家を建てて住んでいます。
今回のご相談は、お母様が残した家と土地をどうすればよいかというもので、内容は多岐にわたっていました。
以下が、娘さんが抱えていた主な悩みです:
母の家が空き家になるので、施設費を捻出するために売却したい
母の認知症が進行する前に手続きを進めたい
家が古いので、解体して土地として売るか迷っている
ただし、建物を使いたい買主が現れる可能性もある
土地の一部を自分の駐車場として使いたいと思っている
しかし駐車場分を取ると、土地が狭くなり資産価値が下がる可能性がある
すぐに売れないなら、貸すという選択肢も検討したい
つまり、不動産の活用方法がまだ何も決まっていない状態だったのです。
娘さんが特に心配されていたのは、お母様の認知症の進行によって、所有者本人の意思確認が困難になることでした。
そうなると、売却や名義変更などの重要な手続きができなくなる恐れがあります。
つまり、タイムリミットが迫っている状況だったのです。
そこで私がおすすめしたのが「親愛信託」です。
お母様が不動産を信頼する娘さんに信託することで、託された娘さんは、お母様に代わって不動産の管理や売却などの手続きを自分の印鑑で進めることが可能になります。
たとえお母様の認知症が進行し、法律行為が難しい状態になっても、娘さんが責任を持って柔軟に不動産を活用することができるのです。
親愛信託によって時間的なゆとりを得た娘さんは、
建物を解体するかどうか
駐車場としての一部利用
建物付きのまま売却するか
良い借主や買主をゆっくり探すか
など、将来の選択肢を焦らず丁寧に検討することができるようになりました。
もしあなたやご家族が、不動産や財産について選択を迫られている状況にあるのなら、
その前に「時間を生み出す仕組み」として、親愛信託を検討してみてはいかがでしょうか?
令和7年7月15日
協同組合親愛トラスト
田代洋平
田代司法書士事務所
司法書士/宅地建物取引士
2001年から不動産業に従事、2012年司法書士試験合格、2013年田代司法書士事務所開設
田代司法書士事務所
所在地:〒802-0841
福岡県北九州市小倉南区北方4-1-11
民事信託、不動産登記、相続、商業登記、法人設立、成年後見