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不動産信託

受託者の業務(自宅信託と収益不動産信託の違い)

一般的な信託の種類として、不動産信託があります。
土地・建物を信託することですが、自宅を信託する場合と収益不動産を信託する場合では、受託者の業務に違いあるので注意が必要です。

基本的な受託者の業務

・自宅の信託は、基本委託者が居住するために信託していますので、受託者は建物の維持管理(建物の修繕の発注や固定資産税等の支払い、火災保険の加入手続き等)が業務になります。
委託者が施設等に入居する為の資金調達のために処分(売却)も信託契約に含まれている場合、受託者の業務となります。

・収益不動産の信託は、アパートやマンションなどの賃料の発生する建物の受託者となるため、受託者が貸主として活動しなければなりません。退去後の空室であれば、室内のリフォーム発注、入居者の募集、借主との賃貸借契約、毎月の賃料管理、滞納者がいれば督促業務や最悪の場合は裁判所を通じて退去の訴訟の当事者にもなります。また自宅の信託と同様に固定資産税の支払い、火災保険の加入手続き等が含まれます。

・その他税務上、信託の受託者には税務署に対して一定の調書を提出する義務が課されています。
信託の存続期間中、毎年提出が必要となる調書です。

信託の受託者は、信託財産に属する事項を記載した信託の計算書を、税務署長に提出する必要があります。これは賃料収入から必要な経費を控除した計算書を作成して税務署長宛に提出することになります。
提出期限は信託会社以外(親愛信託や民事信託)の受託者については毎年1月31日までに提出が必要とされています。

ただし、提出が不要な場合があります。信託財産に帰せられる収益の額の合計額が3万円(信託の計算期間が1年未満である場合には、1万5千円)以下であるときは、その信託の計算書は提出不要とされています。
収益不動産の受託者の場合、事実上の大家さんと同じ業務が発生いたします。

受託者になるのは難しいかと考えてしまいますが、建物の管理等については管理会社、経産省等の作成は税理士に委託することで負担を軽減することが可能になります。


令和7年2月7日
一般社団法人よ・つ・ば民事信託北海道
代表理事 市下順紀