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収益不動産の共有相続を成功させる「親愛信託」という一工夫

【収益不動産の相続対策】共有名義のリスクを回避するなら「親愛信託(家族信託)」が有効

収益不動産(賃貸物件)を相続する際、「相続人で平等に持てばリスク分散できる」と考える方は多いものです。しかし実際には、共有名義は将来トラブルの原因となりやすく、資産価値の低下や管理の停滞といった深刻な問題につながりかねません。

そこで近年注目されているのが、親愛信託(家族信託・民事信託)を活用した相続対策です。本記事では、共有のリスクを避け、収益不動産を安定的に継承する方法としての家族信託の仕組みとメリットをまとめます。

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1 信託による共有リスク回避の仕組み

収益不動産(賃貸物件)を相続するとき、みんな平等にすれば、管理費用の支払のリスクを分散できると考える方は多いと思います。
しかし、一般的には収益不動産を複数人で相続する際、法定相続分などで共有名義とすることは、将来の深刻なトラブルの火種となります。共有者全員の同意が必要となるため、「管理や売却」の自由を失い、資産価値の低下を招くリスクがあるため、これを避けるための「一工夫」として親愛信託(家族信託・民事信託)が非常に有効です。

親愛信託(家族信託・民事信託)は、不動産の「名義」と「収益を受け取る権利」を分離することで、共有名義が持つリスクを根本的に解消します。


2 管理・処分権の集中(トラブル回避)

不動産の名義を、信頼できる一人(受託者)に集約します。
これにより、物件の大規模修繕や売却、賃貸契約の更新といった重要な意思決定が、受託者一人の判断で迅速に行えるようになります。
共有名義のように、全員の同意を求める手間や、一人の反対で何もできなくなる「塩漬け」のリスクを回避できます。


3 収益(利益)の公平な分配

物件から得られる賃料収入を受け取る権利(受益権)は、相続人などで、割合で持つことができます。受益権は割合で贈与することもできます。

これにより、物理的に分けられない不動産を信託受益権とし、収益である金銭を受益権の割合で公平に分配することが可能となります。相続人全員が利益を享受でき、公平性が保たれます。


4 費用負担の明確化と安定化

賃料収入は信託財産として一旦プールされ、そこから固定資産税や修繕費を優先的に支払うルールを契約で定めます。
相続人は手持ち資金を持ち出すことなく、収入の中から自動的かつ公平に費用が充当されるため、「誰が、いくら払うのか」といった費用負担をめぐるトラブルを防げます。

そして、費用を支払い、残った金銭を受益権の割合で分配することができます。将来の大規模修繕や費用負担に備えて、すべてを分配せずに一定割合を信託財産としてプールしておくこともできます。


5 信託は円満な資産承継を実現できる強力なツール

このように信託を利用すれば、円満な資産承継と、安定した収益不動産経営の継続を両立させることが可能です。


6 重要な注意点(専門家への相談が必須)

信託は、複雑な権利関係を整理する強力なツールですが、設計には高度な専門知識が必要です。税務上の取り扱いも特殊なため、必ず司法書士や行政書士、税理士などの専門家に相談し、最適な契約を設計することが不可欠です。

よつばグループ(協同組合親愛トラスト)では信託に詳しい専門家が多数在籍しています。ご興味ありましたらぜひご相談ください。


【まとめ】収益不動産の相続には「信託」を活用してトラブルを回避

共有名義は公平に見えて、実は「管理の停滞」「意思決定の分裂」「将来トラブル」など多くの問題を抱えています。
一方、親愛信託(家族信託)は 名義管理の集中 × 収益の公平分配 × 費用負担の明確化 を同時に実現できる非常に強力な相続対策です。

相続で不動産を持つ可能性がある方、共有リスクを避けたい方は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

全国のよつばグループでご相談承っております。お気軽にお問い合わせくださいね。

令和7年12月19日

一般社団法人 一般社団法人よつば親愛信託大分

理事 溝部将司

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執筆者プロフィール

溝部 将司


■ 保有資格

司法書士/トラストプランナー


■ 事務所情報

合同会社ゆい処
〒870-0927 大分県大分市大字津留字六本松1916番地14アーバングリーン六本松108


■ 問い合わせ

097-511-4877
shosi.mizo@gmail.com


■ 略歴

令和5年開業。よつば親愛信託に所属し、信託業務を勉強している。