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もう2年近くになる新型コロナウイルスに関わる社会変化の中で、入院や施設入所されている、特に高齢者の相続、財産承継対策に困難が生じています。
長引く新型コロナによる影響で、面会禁止等により家族が会うこともできず、外出もできない。見えない将来に備えて遺言を作成しようにも、面談ができないため公正証書遺言作成等は困難になっています。一部オンライン面談で対応してくれている公証役場もあるようですが、地方の公証役場ではほとんど対応していません。
自筆証書遺言や死因贈与契約にしても面談が困難な以上、十分な意思確認や思いの汲み取りが難しいのが現状ではないでしょうか。
最近もこういうご相談がありました。
家族が突然癌(末期に近い状態)であることがわかり、入院している。もしもの事を考えると、どうしても財産が渡って欲しくない相続人がいるためどうすればよいか、と。癌を患ったご本人はまだ若く、思ってもみない展開に、ご本人はもとより、ご家族も動揺を隠せません。 ご本人の思いを実現するためにご家族の一人を受託者とする信託契約を結ぶにしても、現在コロナの影響で面談もできず、抗がん剤治療の合間に一時帰宅したとき、かつ、ご本人の体調などのタイミングを考えると、通常より契約締結のハードルが高い現状です。しかし何とか対策しておかなければという焦り・・
今まで以上に、平常なうちの対策、何事もない今だからこそできる対策を「今のうちに」やっておくことの必要性の高さをリアルに実感しました。
特に、ご自身の将来、大切な家族の将来に思いを抱いている方は、信託をはじめ何らかの対策を「何事もない今こそ」一度真剣に考えてみる、家族で話し合ってみる機会を作ってみてはいかがでしょうか。
一般社団法人よ・つ・ば親愛信託こうち 理事 岡﨑千佳