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~信託法条文~ 第61条/第62条 よ・つ・ば的解説付

(費用又は報酬の支弁等) 重要度1 

第61条 第59条第5項又は前条第3項若しくは第5項の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。

 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。

訴訟が前提の規定なので、親愛信託とは馴染まない。

第三款 新受託者の選任 重要度4

第62条 第56条第1項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者(以下「新受託者」という。)に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、委託者及び受益者は、その合意により、新受託者を選任することができる。

信託行為に新たな受託者の選任に関する別段の定めがない状況で、もし受託者が不在となった際のルールを決めており、委託者と受益者の合意で新受託者を決定できるとしている。

 第56条第1項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、新受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。n

親愛信託の場合には新受託者候補者が知らなかったり、就任を拒否するケースは考えにくいが、催告の規定を定めている。

 前項の規定による催告があった場合において、新受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者及び受益者(2人以上の受益者が現に存する場合にあってはその1人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。

  第5条の遺言信託の受託者に対する規定を準用している。

 第1項の場合において、同項の合意に係る協議の状況その他の事情に照らして必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、新受託者を選任することができる。

裁判所による選任も可能とされている。

 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。

 第4項の規定による新受託者の選任の裁判に対しては、委託者若しくは受益者又は現に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。

 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。

訴訟手続きに関する規定である。

 委託者が現に存しない場合における前各項の規定の適用については、第1項中「委託者及び受益者は、その合意により」とあるのは「受益者は」と、第3項中「委託者及び受益者」とあるのは「受益者」と、第4項中「同項の合意に係る協議の状況」とあるのは「受益者の状況」とする。

ここでも委託者不在の状況を想定した規定が置かれている。