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~信託法条文~ 第43条/第44条 よ・つ・ば的解説付

(損失塡補責任等に係る債権の期間の制限)重要度2

第43条 第40条の規定による責任に係る債権の消滅時効は、債務の不履行によって生じた責任に係る債権の消滅時効の例による。

受託者の損失てん補責任について民法の消滅時効を準用する条項なので、民法改正により変更になっているということである。

 第41条の規定による責任に係る債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

 受益者が当該債権を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。

 当該債権を行使することができる時から10年間行使しないとき。

受託者法人の役員の連帯責任については別の規定を定めている。

 第40条又は第41条の規定による責任に係る受益者の債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。

 「知ってから」時効スタートとする規定である。

 前項に規定する債権は、受託者がその任務を怠ったことによって信託財産に損失又は変更が生じた時から20年を経過したときは、消滅する。

時効とは別の「除斥期間」について定めており、民法の一般原則が準用されている。

(受益者による受託者の行為の差止め) 重要度3              

第44条 受託者が法令若しくは信託行為の定めに違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。

本来は商事信託の受託者の行為を差止めるための条項であるが、別段の定めが認められていないことから、親愛信託においても適用されることになるので、注意が必要である。

 受託者が第33条の規定に違反する行為をし、又はこれをするおそれがある場合において、当該行為によって一部の受益者に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。

受益者が複数存在する場合の公平義務違反の差止めであるが、前項同様の注意は必要である。