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第二節 受託者の義務等
(受託者の注意義務) 重要度5
第29条 受託者は、信託の本旨に従い、信託事務を処理しなければならない。
2 受託者は、信託事務を処理するに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところに
信託行為で何も定めなければ「善管注意義務」となるが、2項ただし書きで明確に義務の軽減を認めているので、親愛信託においては、特に事情がなければ「自己の財産と同一」の注意義務で足りると考えるべきである。ただ、あくまでも「注意をもって」と書いてあるので、全く注意義務をゼロにすることはできないと考えるべきであろう。
(忠実義務) 重要度3
第30条 受託者は、受益者のため忠実に信託事務の処理その他の行為をしなければならない。
注意義務に比べて忠実義務は抽象的なものであり、その軽重の概念も定められていないので、信託の目的に照らして一般的に忠実な事務処理であれば問題ないものと思われる。
ここでは敢えて「受益者のために」と書いてあり、信託契約の相手方である委託者のためにするのではないことが特徴である。