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~信託法条文~ 第101条/第102条 よ・つ・ば的解説付

【受益債権と信託債権との関係】 重要度2                    

第101条 受益債権は、信託債権に後れる。

信託財産に対する債権者が受益者よりも優先されるとの規定で、株式会社の株主と債権者との関係に似ており、信託終了後の清算時には問題になるであろう。

【受益債権の期間の制限】 重要度2

第102条 受益債権の消滅時効は、次項及び第3項に定める事項を除き、債権の消滅時効の例による。

物権的性質を持つ「受益権」とは異なり、「受益債権」は単なる債権であるから、民法の消滅時効に準じるとしている。

 受益債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。

 受益者となったことを知らないケースも考えられるので、そのための措置と思われる。なお、民法上の債権では、相続によって債権者となった者が債権者であることを知らなくても時効は成立するので、その点でも民法との差異が見られる。

 受益債権の消滅時効は、次に掲げる場合に限り、援用することができる。

 受託者が、消滅時効の期間の経過後、遅滞なく、受益者に対し受益債権の存在及びその内容を相当の期間を定めて通知し、かつ、受益者からその期間内に履行の請求を受けなかったとき。

 消滅時効の期間の経過時において受益者の所在が不明であるとき、その他信託行為の定め、受益者の状況、関係資料の滅失その他の事情に照らして、受益者に対し前号の規定による通知をしないことについて正当な理由があるとき。

受託者による時効援用のルールであるが、商事信託の世界の話であろう。

 受益債権は、これを行使することができる時から20年を経過したときは、消滅する。

 除斥期間の規定である。