認知症対策・財産凍結対策
現代社会では、ほとんどの人がスマートフォンやパソコンを利用し、さまざまな情報や財産をデジタル上で管理しています。もしも突然その人が亡くなったとき、残された家族は「デジタル遺品(デジタル遺産)」という新たな問題に直面することになります。
この記事では、「デジタル遺品とは何か?」から、遺族がとるべき具体的な対応方法、やってはいけない注意点、そして生前にできる準備までをわかりやすく解説します。
「デジタル遺品」とは、故人が生前に利用していたスマホ・パソコン・クラウドサービス・オンラインアカウントなど、デジタルに関わるすべての資産やデータのことを指します。
以下のように分類すると理解しやすくなります。
スマートフォン、携帯電話
パソコン、外付けHDD、USBメモリなど
写真・動画・文書などのファイル
アプリや閲覧履歴(オフラインデータ)
ネットバンキング、ネット証券、暗号資産(仮想通貨)
サブスクリプション(Microsoft365、Netflix、Kindleなど)
SNS(LINE、Instagram、X(旧Twitter)、Facebook)
クラウドストレージ(Google Drive、iCloudなど)
ポイント、電子マネー、クレジットカード会社のオンラインアカウント
まずは、「見えているもの」から把握していくことが重要です。
手元にあるスマホやパソコン、HDDなどを一つずつ確認
アカウント情報が書かれているメモや書類もチェック
金融関係や課金中のサービスから優先的に確認
使用していたメールアドレスからサービス登録を推測する
クレジットカードやFX口座はマイナスになることもあるため注意が必要です。
遺品整理の過程でやってしまいがちな3つの失敗例をご紹介します。
まだ中身を確認していないスマホやパソコンを破棄してしまうと、資産や重要な情報が永久に失われます。すべての調査が終わるまでは処分を避けましょう。
間違ったパスコード入力を繰り返すと、スマホが初期化されてしまう場合があります。
ロック解除は慎重に。可能であれば専門業者やサポートに相談を。
通信を止めてしまうと、クラウドやオンラインサービスへのログインができなくなる可能性があります。
解約は必ず調査・手続きが完了してからにしましょう。
ネットバンキングや暗号資産などは、通常の遺産と同様に相続手続きや名義変更が必要になります。
一部には「一身専属」のもの(例:LINEアカウントなど)もあり、相続ができないケースもあります。
自分の死後に家族が困らないために、元気なうちにデジタル遺産を整理しておきましょう。
使用中のサービス一覧(ログインID、パスワードなど)
所有している仮想通貨やオンライン口座
継続中のサブスクやクレジット情報
書面またはクラウドで、信頼できる家族に引き継げるようにしておくと安心です。
デジタル遺品は、故人の人生を映す貴重な情報であると同時に、経済的価値やトラブルの火種にもなりえます。
「知らなかった」「気づかなかった」では済まされない時代です。
大切な人が亡くなったときに困らないために自分自身の死後、家族に迷惑をかけないためにも自分が動けるうちに、今から少しずつでも「デジタル終活」を始めてみませんか?
令和7年6月20日
一般社団法人 よつば親愛信託大分
阿部豊志
あべ行政法務事務所
行政書士/宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/二種証券外務員/AFP/家族信託コーディネーター/マネーバランスドクター/SP融資コンサルタント
大分市出身。地元大学院修了後、北九州市の大手総合住宅設備企業にて事業部・子会社の生産管理システム等構築支援を行う。
クライアントの将来を考えた総合的な支援を心がけている。
民事信託(家族信託)/遺言・相続・贈与/生命保険の活用提案/ライフプランニング/中小企業向け財務コンサルティング
あべ行政法務事務所
〒870-0128
大分県大分市森 森プリンス28-603
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大学時代から続けているテニスがライフワーク。現在もジュニアテニスのボランティアコーチとして活動中。
休日は映画や海外ドラマをケーブルテレビや配信サービスで楽しんでいます。