一覧
私は社会保険労務士もやっていますが、先日ある医療機関から依頼を受けて「ハラスメントセミナー」を行いました。大企業(従業員100人以上等)では昨年6月からハラスメント対策が事業主の義務になっていて、中小企業でも2022年4月から義務となり、次第に関心が高まってきているようです。そして、全国の労働局に寄せられる「ハラスメントの相談」が右肩上がりで増えていて深刻な社会現象になっています。
職場のハラスメントとしてはパワーハラスメントが最も多いものですが、6類型に分けることができます。「身体的な攻撃」、「精神的な攻撃」、「人間関係からの切り離し」、「過大な要求」、「過小な要求」、「個の侵害」。その中で「精神的な攻撃」が過半数を占めているようです。
パワーハラスメントは上司から部下に対するものが想定されがちですが、セミナーを開いた医療機関では部下から上司への逆パワハラ、患者の家族から看護師へのパワハラ(カスタマーハラスメント)なるものも生じていて、複雑化しています。
この様なハラスメントがあるようではその組織は生産性が低下し、社会的信用も失っていくことになります。そこで、組織として「相談窓口」の開設、相談者のプライバシー保護や不利益取扱いの禁止、職員へのハラスメントセミナー教育等が必要になってきます。
最近、匿名の労働者からパワハラの加害者にされて会社に訴えられたが、「一方的に懲戒処分を受けそうだ、指導の一環できつい言い方もするが他人を傷つけるような意図はなかった。しかし、弁明もさせてもらえない。」と電話で相談を受けました。被害者と加害者双方の意見をまとめないと実態がわからないので、会社に弁明させてもらうよう今一度お願いし、だめなら労働局に相談してくださいと伝えました。
しかし、労働局とか労基署もよほどでない限り具体的に動いてくれないので、会社も相手にしてくれないなら、泣き寝入りか費用をかけて弁護士という選択肢しかないかもしれません。
すみません、今回、信託に全く関係のないお話でした。ただし、会社の存続を図っていくという意味では共通事項かも・・・!
以上
よつば民事信託とやま理事 白井 篤