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『Die With Zero(ダイ・ウィズ・ゼロ)』は、アメリカの資産家ビル・パーキンスが提唱した「人生の幸福を最大化するための資産活用哲学」を解説した書籍です。直訳すれば「資産0で死ぬ」ですが、その本質は、時間・健康・お金のバランスを最適化しながら豊かに生きるという考え方にあります。
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日本では、「老後資金」「次世代への遺産」「節約」といった“貯めること”が美徳とされがちです。しかし、資産を残しすぎることで、相続人が使い道に迷ったり、遺産分割トラブルにつながるなどの問題も多く見られます。財産を貯めること自体が目的になってしまうと、その行為は意味を失います。
大切なのは、「どのように使い、どのように遺すか」という意図を持つことです。

自分の意志を明確に示すことも、家族に対する重要な責任のひとつです。近年は遺言を作成する人が増えていますが、遺言はあくまで死後の財産の分配を定めるもの。生前の財産管理や活用まではカバーしきれません。そこで注目されているのが、民事信託(家族信託)という仕組みです。
家族信託では、委託者(財産を持つ人)が受託者(家族など)に財産管理を託し、信託契約に基づいて運用します。これにより、
・認知症など判断能力低下への備え
・家族の生活資金や介護費用の安定確保
・将来のライフプランを見据えた柔軟な財産活用
といったメリットが生まれます。これは、遺言や成年後見制度・任意後見制度だけでは実現できない部分を補う有効な方法です。
『Die With Zero』の哲学は、「お金を使い切ること」そのものではなく、お金を通して人生の価値を最大化する生き方です。家族信託は、その理念を日本の法制度の中でより実現しやすくする選択肢ともいえます。
お金を残すよりも、意思を残す。そして、経験や想いを家族と共有する。
それこそが、これからの時代に求められる“豊かな生き方”なのではないでしょうか。
これからの暮らしを安心して過ごすために、信頼できる相談先を知っておくことが第一歩です。
地域の窓口は、こちらからご確認いただけます。

令和7年11月21日
一般社団法人 京都民事信託協会
理事 前田哲士
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