≪中止しました≫2020年3月5日 親愛信託セミナー開催

※セミナー中止のお知らせ※
3月5日 親愛信託セミナーは、新型コロナウイルス感染症による影響を考慮し、中止といたします。

状況を判断して再開いたします。

ご理解ご協力のほどよろしくお願いします。

一般社団法人よ・つ・ば民事信託北海道

 

 

当日参加可能です。

お気軽にご参加ください。

会場 かでる2.7 750号室

親愛信託(民事信託・@家族信託)・相続・後見・事業承継に関する無料相談会のお知らせ

親愛信託名古屋のコンサルタント(行政書士、司法書士、中小企業診断士)が親愛信託・相続・後見・事業承継に関する無料相談会を実施します。
 
 
 
 
 
 
 

日時

毎月第2水曜日の13時~18時(予約制)となっています。
2/12(水)・3/11(水)・4/8(水)・5/13(水)

場所

〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3丁目17番24号 ナユタビル5階

お申し込み

以下のフォームメールよりお申し込みください。
相談会申し込みはこちら(外部サイトが開きます)

「実例からひも解く笑顔相続事例」(勉強会)

12月18日 第10回・親愛信託 勉強会を弊社主催で開催します。

内容は以下です。

日時:令和元年12月18日(水) 19:00~20:30
※入室は18:45~です
場所:プレス・トーク会議室A
名古屋市中区栄2-2-17 名古屋情報センタービル2F
参加費:500円
講師:行政書士 北村 亮一 氏
「実例からひも解く笑顔相続事例」

士業、不動産業、生命保険業、ケアマネジャーなどが対象です。ご興味のある方は以下からお問い合わせください。

-緊急寄稿-信託に関わる裁判判例について

信託法が改正されて12年、商事信託ではない信託いわゆる「民事信託、家族信託®、親愛信託®」と呼ばれるものの普及が広がってきています。認知症対策や事業承継の手段や不動産管理や売買の場面などで、これまでの民法のしくみでは解決できなかったものを解決できる素晴らしい仕組みとして活用されています。そのような素晴らしい仕組みであるにもかかわらず、普及が遅いのにはいくつか理由がありますが、その一つに判例が少ないということと、裁判所がどのような判断をするのかがわからないということで、敬遠している専門家が多くいるということだと思います。信託法は、民法などの大陸法とは違い英米法に基づいて作られたものです。日本人にはあまりなじみのないもので、改正後の信託法の解釈についても定まっていない部分も多くあるのも事実です。英米法は、法律では最低限のことが決められており、あとはその法律を使って、事案に応じて判例を重ねていき自分達の使いやすい法律に一般市民が作っていくような形になります。昨年の9月に裁判があり、判決が出ました。その後に控訴されているにもかかわらずいろいろな噂が飛び交い、当事者ではない方がその判決を解説するセミナーが行われるようなこともあり、誤解も多くあるようで、金融機関や専門家などに影響を与えていました。実際その判決が出たのちに、「やはり信託は不安定なので、関わるのは辞めよう」という専門家の声も聞かれました。この度、この裁判は和解により終結したとの情報を、この件に関係していた司法書士の河合保弘氏から得ましたので、早い段階で皆さんに正しい情報を知ってもらうために緊急情報として寄稿することになりました。

そもそも今回の訴訟は「遺留分減殺請求訴訟」と思っている方もいらっしゃるようですが、そのこと自体が間違いで、そうではなく「信託契約及び死因贈与契約無効確認訴訟」だということです。

一審判決では、信託契約及び死因贈与契約は全て有効、ただし信託契約の対象財産の一部分(収益を生まないと判断された自宅不動産)に限り、「遺留分潜脱目的で民法90条により公序良俗違反」との理由で、自宅不動産を対象とした部分のみの信託契約を無効と判断しました。そしてこの判決には、原告、被告の双方が、納得がいかずに、双方控訴しています。原告は信託契約自体を無効にしたかったわけですし、被告はすべて有効と主張しており、当たり前のことですが、自宅部分のみ無効とするのは当事者ではなくてもしっくり納得できませんので、当事者としてはなおさらです。自宅も十分不動産としての価値はあり、当然売却すれば金銭に変わりますし、通常の相続でも自宅を含めて遺産分割協議をするわけですので、自宅だけが収益を生まないという理由のみで無効になるのは非常に理解に苦しむところです。

そのあとに高等裁判所にて、原告被告共に信託及び死因贈与契約を有効と認めた上で、原告に割り当てられた信託受益権割合につき、被告が時価で買い取り、信託財産以外の財産については死因贈与契約に対応する遺留分相当割合の金銭を被告が原告に支払う、と概ねこのような内容で和解となったようです。また、この判決では、一審判決では公序良俗違反を理由としたものの、控訴審では一審判決の維持は困難と考えられることもあったのではないかと思われます。高裁は信託に関する判断を回避し、当事者双方も実利を取る選択をしたものだとも言える結果になったと思います。

この判決で、わかることは信託契約自体が無効にすることは非常に難しいということです。

そして、表面上で「遺留分侵害」をしている信託契約だったとしてもその契約自体が無効になるわけではなく、受益権に対しての遺留分請求の可否が今後の裁判で判断されることになるということです。

今回の裁判の内容を、解説用に大きくデフォルメして以下に示します。

・家族関係→父(信託委託者)、長男(原告)、次男(被告)、長女

父の世話は全て次男と長女がしており、自宅及び収益不動産の管理等も全て「跡継ぎ」である次男が担当し、長男は次男と長女に対して決して協力的ではなかった。

・財産→広大な自宅(仮に時価2億円とする)、収益不動産(同、4億円とする)、その他の財産(同、6000万円とする)。

・契約の経緯→父は胃癌の末期状態であると診断され、遺言書の作成を考えた際、信託銀行による遺言書作成と司法書士法人による信託契約を比較検討した上で信託契約を選択、その際に司法書士より信託財産以外に関しての死因贈与契約を合わせて薦められる。

信託及び死因贈与契約書は面談当日に私文書にて作成、数日後に公証人に病床に出張してもらい、宣誓認証を実施。

信託契約(不動産など主要財産が対象)→父(委託者兼当初受益者)、次男(受託者)、二次受益者は次男6分の4、長女及び長男各6分の1、三次受益者は次男の子が全部取得。

・死因贈与契約→不動産部分については信託と同様の取得割合(信託契約と内容重複)、

その他財産部分については次男3分の2、長女3分の1の割合で取得

・一審判決

→自宅不動産部分の信託契約のみ無効で、他の契約は全て有効。

自宅不動産部分については死因贈与契約の有効性を認め、信託登記を抹消し、長男の共有持分登記を求める。

収益不動産部分については信託契約を有効と認め、特に変更を求めない。

その他財産の部分については遺留分相当の金銭給付を求める。

・判決への疑問

1、全体として有効に成立した契約の一部分を「公序良俗無効」と断定する理論が構築されていない。

→民法90条の適用については相当に限定されており、「遺留分潜脱目的」を公序良俗違反と判断することには無理があり、一般的な遺言制度との比較(遺留分権者を完全に外した遺言も無効とはならない)からも、解釈の濫用と考える法律家が多かった。

2、自宅不動産は直ちに直接的な収益を生まないものの、不動産自体の価値は高く、かつ換価性もあり、「無価値な財産」とは言えない。

→実際に自宅を取り壊して有効活用する予定が以前からあったが、信託無効判決により、かえって受託者である次男が有効活用の判断をすることができなくなった。

3、原告にとっても信託無効部分の共有持分登記名義を得るだけで、直接的な利益が何もなく、かつ信託有効部分については原告死亡によって受益権が次男の子に移動することになり、訴訟した意味を為さない。

→死因贈与契約有効により、結果的に原告は遺留分相当割合を超える財産の取得が確定的に不可能となった。

・和解内容

→信託契約、死因贈与契約有効により、全ての不動産の受益権は次男6分の4、長女及び長男各6分の1を取得、その他財産は次男3分の2(4000万円)、長女3分の1(2000万円)の割合で取得。

和解により、長男の受益権6分の1相当を時価1億円で次男が買い取り、遺留分給付として次男が長男に1000万円支払う。

結局のところ、信託と遺留分の関係については一切判断の対象とされず、結論は今後の訴訟に委ねられたということです。

この裁判の他にも信託契約についての訴訟を2件ほど紹介します。

※東京地裁H30.10.23判決(控訴なく確定)

【信託契約無効確認訴訟】→親子間で締結された信託契約につき、錯誤無効、詐欺取消、目的不達成による信託終了、委託者及び受益者による終了を受託者が容認した等の主張をもって無きものにすべく親側が提訴。

・原告側の事情→当初は被告であり受託者である子を信頼していたが、他の子(養子2名)からの突き上げがあったのか、被告を信頼できないと考えるようになり、契約の無効や取消を図ったものと考えられる。

また、被告も養子の一人と暴力沙汰を引き起こして逮捕勾留されたことがあるなど、性格的に多少の問題がある人物であった。

・判決→原告の主張を全て認めず、信託契約は有効であると判断。

すなわち、一度有効に締結された信託契約は、事後に各種の事情変更や委託者側の変心、受託者の個人的非行等があったとしても、容易には覆せないことが証明された判決と言える。

※東京地裁H31.1.25判決(未確定)

・株式管理処分信託契約有効確認訴訟

→委託者被告妹、受託者原告兄の間で締結された、香港所在の外国会社株式を対象とする信託契約につき、兄が妹に対して信託契約の有効性を確認する訴訟を提起し、妹側は錯誤無効、別段の定めに関しての公序良俗違反による無効や合意管轄違反等を主張して対立している事案。

・判決

→被告の主張を全て認めず、信託契約は有効であると判断。

裁判所は、信託法において別段の定めが許されている部分などを明確に有効であると判示し、信託契約の効力が強力であることが、改めて証明された判決と言える。

・評価

→信託契約を死因贈与契約(民法554条により遺贈と見做される)と類似と見て、信託を相続と同等と考える学説があったが、一連の判決によって、信託契約は一方的には取り消すことができず、一方的な取消が可能な死因贈与契約と類似ではない(=相続ではない)との考えが明確になった。

 

今後も判決が相次ぐことが予想されますが、少なくとも信託契約が遺言や死因贈与とは異なり、片方の当事者から一方的に解除できるものではない、極めて強い効力を持つ契約であるということを裁判所が保証したということになるのではないかと思われ、今後ますます信託の普及が進むことは間違いないでしょう。

 

協同組合親愛トラスト
   代表 松尾陽子

「認知症対策」

民事信託を推進するテーマの一つに「認知症対策」がありますが、65歳以上の認知症高齢者数と有病率の将来推計についてみると2012年は認知症高齢者数が462万人と、65歳以上の高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)でありますが、2025年には認知症患者数700万人、約5人に1人になるとの推計を内閣府、厚労省が出しています。
認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI: mild cognitive impairment)」と推計される約400万人を合わせるとさらにその数は増えます。
このような中、「民事信託」は世間的にこれからもっと注目されると思います。
また、精通した専門家の役割は重視されますので、今のうちにスキルアップ、実務経験しておくと同業者への差別化が図れ、社会貢献にもつながります。
今まで通り「民法」の枠組みで資産・事業承継を提案していくのか、そこに「民事信託」を含めて提案していくのかで依頼者への「貢献度」に大きな差ができると思います。
私自身、成年後見についても勉強中ですが「民事信託」の知識を得ることでお互いの相乗効果が高まるのではないかと期待しています。
「民事信託」についてはまだ難しいというイメージがあり実際、提案していくにはまだまだ勉強が必要です。

自分自身で難しいと思っていれば依頼者へもわかりやすい提案をできるはずがないと思います。
富山では9月に社団設立でこれからのところです。
継続運営を行っていくためには会員増強と実務をこなしていかなければなりません。
「よ・つ・ばグループ」では各社団の動向を情報共有できるので是非参考にしていきたいと思います。
「認知症になる前に」という謳い文句で自信を持って提案できるよう、まずはセミナー開催等でスキルアップに努めたいと考えます。

 

白井 篤

2019年8月19日 親愛信託セミナー開催

主催 一般社団法人よ・つ・ば民事信託北海道

8月19日 親愛信託セミナー
・信託に興味があり、基本的なことを知りたいと考えている方
・事業継承を考えている方、そのご家族
・信託業務を行いたい士業の方
・不動産業、保険業の方
・ペットを飼っている方

午後の部 13:30~15:30
夕方の部 18:30~20:30
(午後の部、夕方の部共に同じセミナー内容になります)

会場 かでる2.7北海道立道民活動センター 620会議室

第1部【親愛信託とは】講師 小山内誠・市下順紀
親愛信託についての説明および(一社)よ・つ・ば民事信託北海道の活動について説明します。

第2部【パネルディスカッション】
コーディネーター 松尾陽子
信託についての活用について

参加費:会員1,000円、非会員2,000円
※お振込みでの事前支払制となります。
申込方法:TELまたはFAXにてお申込み下さい。
TEL 011-555-8982
FAX 011-556-4934

※当サイトお問い合わせからもお申込み可能です。

富山開催の親愛信託セミナーにて

先般、富山で信託セミナーを開催した際に良い質問を頂きました。
遺留分についての質問でした。
遺留分については、信託では必ず議論になるテーマです。
このテーマについて、解答を松尾代表にお願いしたところ、明確にご解答頂きましたのでご紹介致します。

~事例~
・法定相続人が長男と次男のみ
・長男のみに財産を残してやりたい

上記のケースを信託で実現する場合、受益権につき

1、次男に何も渡さない(=受益権を設定しない)
または
2、次男に遺留分相当額の信託財産の受益権を設定、残りの信託財産の受益権を長男に設定

の信託契約が想定される。

~質問~
上記の事例で次男は「遺留分請求権を行使」してきた場合、どのような対応になるのでしょうか?

~松尾代表の解答~
まず第一に
「信託財産は相続財産となるのか、あるいは相続財産から外れるのか」
「仮に相続財産から外れたとしても遺留分減殺請求の対象にだけはなるのか(すなわち相続法が強行法規であり、特別法(本当は特別法ではなく違う法律なのですが、そう言っている人がいます)である信託法にも優先するとする解釈)」
という根本的な法的問題があります。

「そもそも信託財産が相続財産ではない」
と考えるなら、遺留分減殺請求権は最初から存在しないということになり、
「1」の方法で、完璧にガードできるということになります。
しかし、この問題は、現時点では判例が皆無であるばかりか、法律家の間での議論にすらなっていませんので、遺留分請求者は必ず訴訟を提起してくるものと思われ、結論は最高裁判決まで先延ばしされることでしょう。

そこで、仮に遺留分減殺請求権が信託財産にも及ぶとした場合のために、「2」の方法が考えられます。
この方法で、遺留分相当割合の受益権を与えたとすれば、与えられた者はそもそも遺留分減殺請求権を行使することができないので、訴訟自体が成立しなくなります。
遺留分相当分を与えられているので、原告適格がなくなります。
これが、民法改正より(解答時点では令和元年6月、改正は令和元年7月1日から)、遺留分請求債権になれば、さらにそこは確定的になります

そこで問題となるのが、遺留分相当割合を与えられた者の受益権が受益者連続型になっており、その者の死亡で受益権が三次受益者である別の者に渡るとする信託行為であった場合に、与えられた受益権が条件付きになり、遺留分相当分には不足であるとの主張が可能かどうかという部分であり、さらに二次受益者から三次受益者に受益権が渡る場合に遺留分が存在するか否かということです。
これらについても、今後方向性が決まっていくものと思いますので、それまでは案件ごとに検討し、全国の傾向に関してはよつばとしての情報を発信し、最新情報を提供していきたいと思っています。

一般社団法人 よつば民事信託とやま 代表理事 山本和博

【特定障がい者に対する贈与税の非課税特例】

先日、「信託を活用すれば、障がい者への贈与は6,000万円まで贈与税が非課税なのですか?」というご質問を頂きました。

 

信託を活用した障がい者への贈与は、一定の条件に該当すれば、ご質問の通り贈与税が非課税になります。

この制度は、「特定障がい者に対する贈与税の非課税」という特例で、障がい者の経済的な安定を図るための税制上の優遇措置です。

 

障がい者の生活の安定と療養の確保を図るため、親などが金銭、有価証券その他の財産を、信託銀行等に信託したときは、特別障害者(重度の心身障がい者)の方については6,000万円、特別障害者以外の特定障害者の方については3,000万円を限度として贈与税が非課税になります。

なお、信託された財産は、障がい者の生活または療養の需要に応じて、定期的に、実際に必要な金額が金銭で支払われます。

 

この制度を利用することで、万一親が亡くなった場合でも、引き続き障がい者の方に生活費や医療費等が信託銀行等から定期的に交付され、親亡き後の障がい者の方の将来の生活に備えることが可能です。

 

ちなみに、この特例の適用を受けるためには、受託者が「信託会社か信託業務を営む金融機関」でないといけません。つまり、我々よつばグループを含め、司法書士や弁護士などの専門家が取り扱っている民事信託では、この条件に該当しないため、障がい者への贈与であっても非課税にはなりません。ご注意ください。

 

一般社団法人 おかやま民事信託協会・よ・つ・ば 村上心理