~信託法条文~ 第53条/第54条 よ・つ・ば的解説付

(信託財産からの損害の賠償) 重要度2                       第53条 受託者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、信託財産からその賠償を受けることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

 受託者が信託事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合 当該損害の額

 受託者が信託事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該第三者に対し賠償を請求することができる額

 第48条第4項及び第5項、第49条(第6項及び第7項を除く。)並びに前二条の規定は、前項の規定による信託財産からの損害の賠償について準用する。

 受託者の固有財産を守るための規定であるが、別段の定めを認めているので、柔軟な規定を作ることも可能である。

(受託者の信託報酬) 重要度4

第54条 受託者は、信託の引受けについて商法(明治32年法律第48号)第512条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に受託者が信託財産から信託報酬(信託事務の処理の対価として受託者の受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)を受ける旨の定めがある場合に限り、信託財産から信託報酬を受けることができる。

親愛信託においても、信託行為に定めることによって受託者が報酬を受けることが可能となる根拠条文である。

 前項の場合には、信託報酬の額は、信託行為に信託報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。

もし信託行為に報酬額の定めがなくとも「相当の額」を受領できると定めている。

 前項の定めがないときは、受託者は、信託財産から信託報酬を受けるには、受益者に対し、信託報酬の額及びその算定の根拠を通知しなければならない。

定めがなくても報酬は受領できるとしているが、報酬を受ける場合は、必須ではないがやはり事前に定めておく方がトラブルを避けることができる場合が多いと想定される。

 第48条第4項及び第5項、第49条(第6項及び第7項を除く。)、第51条並びに第52条並びに民法第648条第2項及び第3項並びに第648条の2の規定は、受託者の信託報酬について準用する。

費用の償還や前払いについて本条を準用している。

なお、民法改正に合わせて、条文の一部が改正されている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です